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福山弁護士の「飲み法題」


       

紹興酒には氷砂糖を入れるのが通?

 今回は中国のお酒にまつわる話を一つ。 中国のお酒といえば紹興酒を思い浮かべる方も多いでしょう。中華料理店で暖 めた紹興酒に氷砂糖を入れて召し上がった方もおられると思います。紹興酒には 砂糖を入れて飲むのが正しいのでしょうか?  そもそも中国のお酒には、もち米を主原料とする醸造酒である「黄酒(ファン チュウ)」、焼酎によく似た穀類の蒸留酒「白酒(パイチュウ)」、いわゆるビール を指す「碑酒(ピーチュウ)」、ワインなどの果物の発酵酒「果酒(クアチュウ)」 などがあります。  いわゆる「老酒(ラオチュウ)」は黄酒のうち長期熟成させたものを言います。 「紹興酒」とは、浙江省紹興市で作られる「老酒」を指します。フランスのシャンパ ーニュ地方で造られるワインをシャンパンと呼ぶように、紹興酒もまた産地呼称 なのです。紹興市は上海の南西方に位置し、中国では、「米どころ」、「水の都」と して有名で、良質なもち米と水が良質の酒づくりをもたらしているそうです。  紹興酒などの老酒に氷砂糖を入れて飲むのは、もともと並のレベルの老酒を上 級酒に見せるためです。本来の老酒には自然な甘味があるので全く不要な行為で す。私は紹興酒には何も入れず、夏はロック、冬は燗で飲むのが好きです。温冷 どちらでも美味しく飲める醸造酒というのは実はあまりありませんが、紹興酒は オールマイティで楽しめる数少ないお酒です。一度、氷砂糖なしで楽しんでみて はいかが? 弁護士 福 山 和 人