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小笠原弁護士の”知っ得”

  

特定住宅瑕疵担保責任履行確保法 その4

 みなさん、前回は、特定住宅瑕疵担保責任履行確保法が制定されるに至った経 緯についてお話ししました。  今回は、新築住宅の売主や請負業者の瑕疵担保責任の履行確保のための資力確 保措置義務(保証金の供託や保険への加入)についてお話しすることにします。 ■ 資力確保措置義務を負うのは誰が?いつから必要に? 新築住宅の請負業者や売主のうち、@建設業法に基づく建設業の許可を受けた 建設業者(以下、建設業者といいます)及びA宅地建物取引業法に基づく宅地建 物取引業の免許を受けた宅地建物取引業者(以下、宅地建物取引業者といいます) は、2009年(平成21年)10月1日以降に、新築住宅を発注者や買主に引き渡す場 合、資力確保措置を行わなければなりません。 この引渡し時期は、現実に新築住宅を引き渡す時期ですから、建設工事の遅延 や売れ残りによって、予定よりも引き渡しが遅れて2009年(平成21年)10月1日 以降の引き渡しになった場合も対象となります。 もっとも、発注者や買主が宅地建物取引業者である場合には、資力確保措置の 義務付けの対象にはなりません。専門知識を有する業者間の取引を、法律によっ て資力確保措置の義務付けまでして保護する必要はないからです。 ■ 対象となる住宅は? 住宅とは、住宅品質確保法に規定する「人の居住の用に供する家屋又は家屋の 部分」を言います。ですから、一戸建て住宅や分譲マンションはもちろんのこと、 賃貸住宅(民間の賃貸住宅のみならず公営住宅や公務員宿舎等も含まれます)も 人の居住の用に供する建物ですから、対象となります。 しかし、ホテルや旅館などは人を宿泊させる営業のための施設ですから、対象 となりません。 また、対象となるこれら住宅は新築住宅でなければなりません。新築住宅とは、 住宅品質確保法に規定する「新たに建設された住宅」で、建設工事の完了の日か ら起算して1年以内の「まだ人の居住の用に供したことのない」住宅を言います。 一度でも人が住んだことのある住宅は対象になりません。                     弁護士 小 笠 原 伸 児



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