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小笠原弁護士の”知っ得”

  

ペットフード安全法 その2

 うちのファイトは、下の方から上の方に鼻先をあげながら私の手に触 れて、遊ぼうと意思表示します。めっちゃ、可愛いです。みなさんのペ ットはどうですか。  さて、今回も、前回に引き続いてペットフード安全法についてお話し します。 ■ ペットの普及のすごさ 日本ペットフード工業会は、全国の犬猫飼育率調査を行っており、平 成20年度 の調査結果である飼育世帯率から推計される飼育数は、犬 が1310万1000匹、猫が1373万8000匹、合計2683万 9000匹だそうです。 これに対して、よく比較されるのが15歳未満の子どもの人口で、平 成20年12月1日時点で合計1716万2000人ですから、人の子 どもの数より多い。それどころか、未成年者2328万6000人とい う数字をも上回ったのです。 ■ 最近の発表から 本年5月14日、国民生活センターは、ペットフード安全法の施行日 を前に、犬及び猫用のペットフードの安全性に関する相談をまとめて発 表しました。 2004年度から2008年度の間に、全国の消費生活センターに寄 せられた、犬及び猫用のペットフードの安全・衛生及び品質に関する相 談件数は、552件でした。  このうち、ペットの具合が悪くなったという相談が219件、品質不 良に関する相談が203件、安全性への不安を訴える相談が113件、 その他が17件です。  具合が悪くなったという相談のうち、体調不良(死亡、嘔吐・下痢、 血便・血尿、けいれん、泡を吹く等)が204件と一番多い。その中に は、キャットフードを食べた3匹の飼い猫が直後に嘔吐し、1匹は死ん だ(07年9月、東京都)、飼い犬にペットフードを与えたところ、直 後から下痢と血便の症状が起きた(07年4月、兵庫県)等があります。 品質不良の相談のうち、猫のエサの缶詰に金属片が入っていた(08 年7月、千葉県)、缶詰のドッグフードにビニールの切れ端が入ってい た(08年3月、神奈川県)等、異物(その他にも、虫、プラスティッ ク片、針金等)混入が121件あります。 また、ドッグフードの缶詰を開けたら、中身が黄色っぽく変色して悪 臭を放っていた(08年8月、埼玉県)等、腐敗・変質、カビの相談も 82件と多い。 安全性への不安を訴える相談は、色や臭い、状態がいつもと違うこと で不安を感じたり、メラミンやキシリトールなどの添加物に関する不安、 原産国が外国であることへの不安などでした。 ペットフード安全法成立の背景には、こうした事情があるのですね。                      弁護士 小 笠 原 伸 児



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