「職場復帰」勝ち取る、画期的な和解が成立!
龍谷大学助手雇い止め事件 和解解決のご報告
本件は、3年の期限付きで龍谷大学経済学部助手を務めていた嶋田ミカさんが、1回目の契約更新時に雇い止めを通告されたことに対し、少なくとも1回については更新されるはずであったと主張して、学校法人龍谷大学を相手取って、労働契約上の地位確認等を求めて京都地裁に提訴していた事件で、当事務所の佐藤克昭弁護士、福山和人弁護士及び私が担当していました。
提訴してから約1年半の審理を経て、2011年12月22日、学校法人龍谷大学が雇い止めの意思表示を撤回するとともに、原契約を合意解約したうえ、嶋田さんを新たに1年間、龍谷大学アフラシア多文化社会研究センター(全学の研究機関)で雇用するという内容の裁判上の和解が成立するに至りました。
正式には、本年4月1日より1年間、同センターの研究補助者として雇用されることになりましたが、本和解においては、いわゆる「助走期間」を考慮して、本年1月下旬から正式採用される3月末までの間についても、同センターで臨時雇用されることが併せて合意されました。
本件のような非正規雇用の地位確認請求訴訟、特に、初回更新時の更新拒否事案において、使用者側に雇い止めを撤回させ、事実上の「職場復帰」を実現させる内容の和解が成立したことは、(雇用期間が1年に限られるなど不十分な点はありますが)非正規労働者に対して厳しい司法判断が続いたり、勝訴判決を得ても必ずしも職場復帰を果たすに至らない事例も多いなかで、画期的といえます。
2012年1月26日 弁護士 畑地雅之
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