1. 空飛ぶ弁護士のフライト日誌─DAY29:ふわり空の旅・その1 機長:古川美和
空飛ぶ弁護士のフライト日誌

 前回(の更新はだいぶ前になるけど(^^;))に引き続き,「別ののりもの(プライマリーは,完全に『別』というわけではないですが・・・)」篇ということで,今回は気球に乗ったお話を。

 現役時代(大学1~4回生),毎年2月後半には,群馬県の渡良瀬川河川敷にある「板倉滑空場」に飛びに行くのが習わしでした。
 板倉滑空場は,埼玉県の妻沼町にある利根川河川敷の妻沼滑空場から,直線距離で北東に約21km。全国大会が3月上旬にあるので,その前に板倉で強化合宿をして,最後は板倉から妻沼まで,飛行機でグライダーを引っ張ってもらって「空輸」するのがまた楽しみ。
 そんな板倉合宿で忘れられないひとこまは,気球に乗ったこと。

 板倉でいつも宿泊している旅館の「赤間屋」さんは,いわく何とも言い難い雰囲気の旅館。土間の炊事場で自炊をさせてもらって,宿泊料が1人1泊2000円という何とも言えないその安さからも,雰囲気は察してもらえるのではないでしょうか。仏壇のある客間の鴨居にかけてあった,この辺の旧家には必ずかけてあるという田中正造氏のセピア色の肖像写真が,ぴったりマッチングした旅館でした。
 この赤間屋旅館は,宿泊費の安さからか,この辺りに外に旅館がないせいか,付近のスカイスポーツ利用者のメッカになっています。
 私が1回生の最初の板倉合宿のとき,ここに出入りする気球関係の方から「希望者は気球に乗せてあげるよ~(ただし有料)」というありがたいお申し出が。もちろん,好奇心旺盛な私は「ほいほ~い!」と手を挙げ,乗せてもらえることになりました。

 熱気球を飛ばすのは,風の弱い早朝が最適とのこと。まだ夜も明けやらぬ早朝4時半ころに赤間屋を出発。車で10分ほどの,渡良瀬遊水池に向かいます。上空から見ると巨大なハート形をした渡良瀬遊水池は,冬のこの時期には水があるのは真ん中のわずかな部分だけ。水がない部分は広大な雑草地が広がっているので,バンから運び出した巨大な熱気球は,地上にぐんにゃりと横たわっている分には大きめのブルーシートのよう。
 しかしガスバーナーの「ゴー,ゴー」と送り出す熱い空気を吸い込んで,酔っぱらった一反もめんのようにゆらり,ふわりと立ち上がり・・・やがて私たちが乗った「かご」の上で丸くパンパンに膨らむと,明け方の空に,ふーっっと浮かび始めました。・
 ・・さて,この空の旅の続きは・・・・,また次回。(書面の締め切りが迫っているからではないですよ~,長くなりそうだったからですので,あしからず。)