1. 2013年10月

2013年10月アーカイブ

 
(女性弁護士の法律コラム NO.148)
 
10月27日の日曜日、弁護士会の両性の平等に関する委員会と犯罪被害者支援委員会との合同で、ウィメンズセンター大阪とSACHICOの訪問と見学をさせていただいた。
 
午前は、大阪市阿倍野区にあるウィメンズセンター大阪を訪問し、お話を伺った。
女性が自分のからだや性にまつわる不安や悩み、社会の中での生きにくさを率直に語り合い交流する場として、1984年に結成された。
子宮筋腫の手術をするべきかどうか、月経不順や中絶問題あるいは性について考えたいなど、電話相談(無料)や面接相談(有料、要予約)を行っている。
研修を受けてスキルアップした相談員を配置するなど、相談者の立場に立った運営をされている。
SACHICO発足以降は、その事務局団体にもなっている。
 
ともすればタブー視される「性の悩み」に正面から応えようと日々工夫や努力をされており、長年にわたりねばり強く取り組みを続けてこられたことに本当に感服した。
 
午後は、大阪府松原市の阪南中央病院の中にある性暴力救援センター・大阪「SACHICO」の訪問。
2010年4月発足。
支援員と産婦人科医師(すべて女性)が24時間対応し、主には、性暴力被害にあってまもない(7日以内)の女性への総合的支援を提供する。
具体的には、緊急避妊対策によって妊娠を回避すること。外傷の診察、妊娠への対応など。そして心のケア。
また、過去の被害に悩んでいる女性については、カウンセリング等も紹介している。
更に、加害者対策として、カルテの保管や証拠採取なども行われている。
365日毎日24時間のホットラインをつないでいること自体、想像どおり、関与されている方々の献身的努力なしでは、成り立たないことを実感した。
産婦人科医師との協力・連携も不可欠だ。
 
年間の電話相談件数は約4000件にも及ぶ。
性暴力被害にあった女性たちの多くは、恐怖と屈辱と混乱の中で「誰にも言えない、知られたくない、考えたくない」と一人で悩む。
それは、その被害女性の心身のみならず、生活、さらには人生までをも変えてしまうこともある。
 
「SACHICO」のような性暴力被害者救済センターが全国各地で設置されることが求められるとともに、性暴力のない社会を実現するにはどうすればよいか考えていかなければならないと強く感じた1日だった。
 
※ウィメンズセンター大阪:06-6632-7011(月から土曜10:00~17:00)
※「SACHICO」24時間ホットライン:072-330-0799
 
 

落語で憲法学習会~「八法亭みややっこ」さん

 
弁護士には、多彩な才能の持ち主が少なくない。
東京・八王子合同法律事務所の飯田美弥子弁護士は、学生時代の落語研究会の経験を生かし、憲法の話を落語でわかりやすく講演していると評判が高い。
過日、思いがけず、彼女の講演の「さわり」を聴くことができた。
 
2013年10月20・21日の両日、私が所属している法律家団体の全国総会が岩手で開催された。
憲法改悪、秘密保護法案、労働法制の更なる改悪、事件活動など、現在、押し迫っている焦眉の多くの課題について、各地からたくさんの報告がなされた。
 
20日(1日目)の夜は、恒例の懇親会。
懇親会はだいたい午後8時過ぎには終了するが、その後も、有志参加のまじめな勉強会があったりする。
私は、たいてい同期の友人らと風呂に行ったり、部屋でしゃべったりして、企画にはあまり参加したことがなかった。
 
でも、今回は、懇親会もそこそこにして企画に参加した。
お目当ては、「みややっこの憲法学習会」。
懇親会で酒が入った弁護士相手に、落語での憲法学習会の一部をわざわざ披露してくれるという。
先着40人ということだったので、急いで会場に行き、1番前のかぶりつきの席を陣取った。
 
飯田弁護士の高座名は「八法亭みややっこ」。
「八法じゃなくて、六法にしたら良かったのに」と言ったら、「事務所が八王子合同だから、八なの」という答えが返ってきた。
 
着物を着て高座に上がった「みややっこ」さんは、時折「オチ」や「ヒネリ」を入れた、たくみな「噺」で自民党憲法草案をメッタ切りして聴衆を大いにわかせた。
 
難しい話を笑いも交えながらわかりやすく話す・・・・難しいことだが、私も「みややっこ」さんの爪のアカでも煎じて、勉強したい。
 

 
 
 
 
 

京都労働局の雇用均等室との懇談会

 
(女性弁護士の法律コラム NO.147)
 
本日午前は、京都弁護士会の両性の平等に関する委員会と京都労働局雇用均等室との懇談会があったので、出席した。
 
均等室は、京都労働局(中京区両替町通御池上る)の建物の5階にある。
均等室では、労働者と使用者との間で、男女差別、セクハラ、育児・介護休業、パート問題などの紛争が生じた場合に、解決に向けた援助をしてくれる機関である。
 
相談件数としては、セクハラに関するものが一番多いようだが、やはり、最近では、妊娠・出産等による不利益取り扱いの相談も増加しているとのことであった。
 
企業に対する行政指導もされているが、何せ、職員が5人しか配置されていないとのことで、小企業までは手が回っていない。
ただ、相談や申告があれば、指導に入ると言われていたので、法違反の疑いがあれば、どんどん申告することが大切だと感じた。
 
簡単な手続きで迅速な解決を図りたい場合には、均等室に援助の申し出を行い、均等室が調査した上で、局長による助言などの援助を受けることができる。
また、第三者機関に援助してもらいたい場合は、均等室に調停を申し立て、調停委員が紛争解決にあたる方法もある。
この調停手続きは、年に1件利用があるかないかとのことで、以前から、ほとんど利用されておらず、もっと利用し易くしなければ、法が手続きを定めた意味がないと思った。
 
最近、頻発しているマタニティーハラスメントの相談等も含め、もっと、気軽に均等室を利用してほしいと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

山の料理

 
これまで日帰り登山の時の昼食は、コンビニ弁当を持参するか、カップラーメンを持って行くかで、安直に済ませていた。
 
山仲間のA弁護士が、弁護士会のリクレーションの時などには、フライパンを持参しで焼き肉をし、私たちにもお裾分けしてくれたりするのを見て、私も山で料理がしたくなった。
 
山用のフライパンを購入し、早速、日帰り登山で実践してみた。
メニューは、焼き肉と焼きそば。
 
油は、肉を買った時に付いて来た牛脂とチューブ入りバターを使用。
焼き肉は前の晩からタレにつけこみ、ジッパー付きのビニール袋に入れる。
野菜は、朝、カットして、これもビニール袋に入れる。
まあ、山であろうと、自宅であろうと、下ごしらえとしてすることに変わりはない。
 
でも自然の中で自分で調理した物を食べるのは、格別である。
味気のないコンビニ弁当とは格段に異なる。
次は何を作ろうかなあという楽しみも増えた。
 
 

 
 
 

愚策!「1人1万円給付」

 
来年4月から、消費税が8%へ引き上げられる。
政府では、低所得者対策として、2015年10月に税率が10%に上がるまでの1年半の間、1人1万円を給付する案が検討されているらしい。
低所得者とは、主に住民税の非課税世帯。
 
この「1万円」の根拠は、低所得者が食費にかける費用が年間18万円という試算にもとづくものらしい。
年間18万円というと、1日約500円。
今どき、どんなに特売品を買いあさって頑張っても、1日500円の食費は無理な話。
10月から乳製品などが値上がりし、牛乳も1度に10円近く値上がった。
これが現実。
1日500円の食費で、「健康で文化的な最低限度の生活」ができると思ってるのか!
 
安倍首相は、2012年に総理になった時に、3500円のカツカレー食べたって!
イギリスの首相は、食パン1斤の値段を知らないんだって!
あげくの果てには、国会内の「吉野屋」の牛丼は1200円だって!
 
こんな政治家たちだから、大企業ばかり優遇する税制を作って、自分たちは1日何千円、何万円もかかる食事をしてるのに、国民には1日500円でやれって平気で言えるんだね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

会社から離職票がもらえない

 
(女性弁護士の法律コラム NO.146)
 
「会社を退職したのに、離職票がもらえません」そんな法律相談を受けました。
 
何十年も働いてきたのに、ちょっとしたミスを理由に退職勧奨を受け、退職したAさん。
聞けば、結構、京都では名前が知れた会社でしたが、ノラリクラリと離職票をくれないとのこと。
Aさんは、長年働いてきた会社を辞めざるを得なかったこと自体ショックを感じておられた上に、離職票をもらえないということで、とても落ち込んで見えました。
離職票がなければ、雇用保険の手続きが受けられず、失業手当ももらえません。
雇用保険に加入しているのに、会社が離職票を渡さないのは、怠慢か嫌がらせしかありません。
 
以前にも、同じような相談が受けたことがあり、その時は、私物も返してもらえないということでしたので、受任して、弁護士名で、離職票や私物を引き渡すよう内容証明郵便で請求したところ、すぐに返してきたことがありました。
 
今回の相談は、離職票だけでしたので、ハローワークへ行けば、会社に指導してもらえるとアドバイスをしました。
 
後日、Aさんから報告があり、ハローワークから会社に指導があり、離職票は交付されたとのことでした。
 
このような嫌がらせにめげず、明るいAさんに早く戻ってほしいと思いました。
 

弥山(宮島)に登りました

 
広島での日弁連人権シンポジュウムに出席したついでに、宮島にある弥山(533M)に登った。
「弥山(みせん)」という名前の山は、奈良県にもあり、その他、全国にいくつかあるようだ。
 
宮島を訪れるのは、3回目だったが、これまでの2回は厳島神社まで行っただけで、そもそも宮島に「弥山」という山があることすら知らなかった。
 
弥山には、山頂の直下までロープウェイに乗って行くことができるが、もちろん下から歩いて登った。
登山道は、複数あるが、登山家岩崎元郎の「新・日本百名山」で勧められているコースを登った。
最初は、なだらかな山道だが、途中からは、両脇にシダが生えた山道を歩く。でも、登山道は整備されている。
尾根に出ると、瀬戸内海が一望でき、景色も良い。
 
山頂直下のロープウェイ駅からは、観光客と合流し、整備された参道を頂上まで更に登る。
山頂は、展望台・休憩所が工事中で、どこが頂上かわからなかった。
でも、天気は快晴で、遠くまで展望できた。
下山は、森林の中の紅葉谷コースを下った。
 
下山後は、少し遅い昼食。
宮島名物の「あなごめし」を味わった(「ふじたや」で)。
 

 
 

日弁連人権擁護大会in広島

 
(女性弁護士の法律コラム NO.145)
 
10月3-4日、日本弁護士連合会の人権擁護大会とシンポジュウムが広島で開催されたため、参加してきました。
3日がシンポジュウムで、4日が大会。
 
シンポジュウムは、第1分科会が原発問題、第2分科会が憲法9条問題、第3分科会が労働と貧困問題がテーマでした。
どの分科会もホットなテーマだったので、どれに参加するか迷いましたが、第3分科会に参加しました。
 
ジャーナリストの斎藤貴男さんの講演は、消費税が来年4月に8%に引き上げられても日本経済が回復することがないことなどわかりやすいアベノミクス批判でした。
また、匿名で発言された母子家庭のAさんの生活実態の話は、今の日本の貧困問題がとりわけ女性や子どもに大きくのしかかっていることがリアルに伝わってきました。
パネルディスカッションのパネラーの一人だった東京大学名誉教授の神野直彦先生の「『国の財政が破たんする』なんて、僕が大学院生の時からずっと言われ続けている」「日本の財政は、破たん状態じゃない」「社会保障に金をもっと使えば、日本の財政は豊かになる」などという発言は、もっと詳しく聴いてみたいなと思うような内容でした。
 
その日の夜の京都弁護士会会員の懇親会で話を聞くと、他の分科会もかなり充実した内容だったようで、分科会の「ハシゴ」をするんだったと少し後悔しました。
 
以下は、番外編です。
お昼に食べた広島焼きです。
とろろいもと溶ろけるチーズをトッピングしました。
 
 

 
 
 
 
 
 

「半沢直樹」の原作を読みました

 
毎回30%を超えるすごい視聴率をたたき出したTBSドラマ「半沢直樹」。
最終回は、関西ではなんと45.5%だったとか。
 
私も、大阪編の終わり頃から観始めた。
 
勧善懲悪のストーリーと聞いていたが、刑事告発しないことを昇進の取引材料としたり、
同僚の裏切りなんかもあって、結構、人間臭くて生々しい。
 
原作を読んでいなかったので、最終回のどんでん返しには驚いた。
ドラマのあの流れからすると、意外な結末で、納得できなかった。
 
そこで、最終回が終わってから、やおら原作を求めて書店に行った。
原作は、池井戸潤作の「オレたちバブル入行組」と「オレたち花のバブル組」の2冊。
 
原作を読んでみて、ドラマの流れは、原作にほとんど忠実だったと思った。
ただ、一番大きく異なるところは、ドラマでは、大和田常務への復習劇が大きな柱だったが、原作では、実は、半沢の父親は自殺しておらず、他の地方銀行が融資を行い助けたという設定になっている。
原作は、半沢が銀行という巨大組織の中で、いかに勝ち上がっていくかが中心なんだろうと思う。
また、頭取も「行内融和」を求める人物として描かれ、半沢が大和田の悪事を徹底して暴き立てたことが「行内融和」路線から外れ、「出向」という結末へも自然と流れ、得心した。
 
原作では、妻花の描き方も異なっていた。
ドラマでは、上戸彩演じる花は良妻賢母だったが、原作では、どこの家庭でもあるような、家庭を顧みない夫半沢にうるさく文句を言う妻で、企業戦士の半沢にとっては家庭も休まる場所ではないというところが現実的だった。
 
現実の企業社会には、半沢のような労働者はおらず、半沢が労働者のホンネを代弁してくれるから人気があると言われている。
それが日本の企業社会とは何とも悲しいことである。

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