1. 2021年12月

2021年12月アーカイブ

過労死ライン未満でも労災認定。新基準適用。

2021年9月24日付け本コラムでもご紹介しましたとおり、20年ぶりに改定された脳・心臓疾患の労災認定の新しい基準の運用が同月15日から開始されました。

 

この新しい基準によって、1度は過労死ラインに満たないとして労災認定されなかった事案が、一転して労災と認定されました(2021年12月21日付け朝日新聞朝刊)。

厚生労働省によると、労災を認めない決定が取り消され、新基準で認められたのは全国で初めてだそうです。

 

居酒屋チェーン店の調理師だった男性が脳内出血を発症し後遺症が残ったため、2016年3月に労災申請しましたが、過労死ラインに満たないとして労災認定されませんでした。

しかし、その後、労働基準監督署は、残業時間の平均が直近2~6ヶ月では最大75時間半だったとした上で、「改正認定基準により評価し直した結果、過重業務による負荷が認められた」と判断し、一転して労災と認定しました。

このように残業時間などの過労死ラインだけでなく、身体的負荷などの要因も含めて、新基準によって総合的に判断された結果でした。

 

過労死ラインに満たなくても総合判断される可能性がありますので、ためらわず労災申請しましょう。

 

 

 

成人年齢18歳への引き下げと養育費

成人年齢を現在の20歳から18歳に引き下げる改正民法が2018年6月13日に成立しました。

施行日は2022年4月1日ですから、もう、まもなくです。

 

これによって、18歳や19歳でも親の同意なしに契約を結んだり、ローンを組んだりすることが可能となりますが、他方で、若者の消費者被害が懸念されます。

また、18歳以上の男女は親の同意なしに結婚できるようにもなりますので、未成年者の結婚に親の同意を必要とする現行の法律は削除されることになります。

 

普段、離婚事件を多く扱っている弁護士としては、養育費の支払いの終期が気になるところです。養育費の取り決めをする場合、通常「成人に達する月まで」というような定め方をすることも少なくありません。

この点、国会でも審議がなされ、附帯決議で、養育費については、成人年齢と養育費負担の終わりの時期は連動せず、未成熟である限り親らに負担義務があることが盛り込まれました。

 

しかし、改正法が施行される2020年4月1日以降に養育費の定めをする場合には、「成人に達する月まで」という表現にすると「18歳まで」ということになってしまいますので、「20歳まで」とか「大学を卒業するまで」などと明確な表現にすべきだと思います。

 

 

ウェブ家事調停の試行開始(4家裁で)

離婚や相続など家庭裁判所で行われる調停をオンラインで行う「ウェブ家事調停」が12月8日から、東京・大阪・名古屋・福岡の4家裁で試行されます(2021年12月8日付け毎日新聞朝刊)。

利用は当事者が希望した場合に限られます。

 

家事調停は、家裁の裁判官と調停委員(民間人)2名で構成する調停委員会が当事者の間に入り、離婚や相続など家事に関わる紛争について非公開で話合いをするという手続です。

特に、離婚や遺産分割などは、訴訟を提起する前に必ず調停を経なければならないと定められています(調停前置主義)。

 

「ウェブ調停」は、確かに、遠方の家裁に出向かなくてはならない場合や、DV被害で家裁に行くことすら危惧される場合などには有効かもしれません。今なら、コロナで外出が制限されるような場合にも利用することが可能になります。

 

しかし、他方では、本人確認の方法や録音録画によって調停内容が外部に漏れる危険性も指摘されています。

 

注視していきたいと思います。

 

 

 

DIY(4回目)~チラシ・スタンド~

4回目のDIY教室では、チラシ・スタンドを作りました。

 

小さな作品なので、簡単かなと思っていたら、逆に作業が細かくて難しかったです。

斜めになった部分は、初めてノコギリで切り落としました(キンチョー!)。

板が薄く、ビスを打つ時にまっすぐ打たないと木が割れたりするので、またまた緊張しました。

表側からではわかりませんが、裏から見ると、やや失敗しました。

それで、来月、再度、同じ作品に取り組むことにしました。

何事も勉強です。

 

 

事務所の受付の、事務所ニュース入れに使ってもらっています。

 

 

 

 

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