1. 2022年9月

2022年9月アーカイブ

妻が産休中に、夫も取得できる「産後パパ」育休制度(男性版産休)が2022年10月1日から始まります。

 

男性の育児休業制度は、これまでも存在していました。原則子どもが1歳になる前日までの間、育児のために休暇を取得できる制度です。

それとともに、今回開始される「産後パパ」育休制度は、子どもの誕生後から8週間以内に4週間まで育児休業が取得可能です。2回に分けて取得することも可能です。

通常の育休は、原則1ヶ月前までに勤務先に申請する必要がありますが、産後パパ制度は2週間前まででかまいません。

 

育児休業給付金も通常の育休と同様に支給され、社会保険料免除と合わせると、手取り収入の約8割が得られることになります。

 

なお、通常の育休も、現在は取得できるのが原則子どもが1歳になるまで夫婦それぞれ1回ずつですが、2022年10月1日からは2回に分割して取れるようになります。

夫婦が交互に育休を取ったりすることもできるようになります。

 

育児休業についての相談は、京都労働局雇用環境・均等室まで。

電話075-241-0504

 

 

 

 

パート社員やアルバイトなど短時間労働者を対象に、厚生年金の適用範囲が2022年10月1日から拡大されます。

 

これまでは501人以上の従業員数の事業所が対象でしたが、これが101人以上に緩和されます。

厚生労働省によると、これで加入者は45万人増える見通しで、大部分が非正規労働者です。

 

厚生年金保険料は、労使が折半で支払います。

なお、週30時間以上働いている人は、勤務先の規模に関係なく加入できます。

 

今回の拡大で、週30時間未満の労働者が加入するには、下記のすべての要件を満たす必要があります。

①事業所の従業員数が101人以上

②継続して2ヶ月を超えて雇用される見込みがあること

③週の労働時間が20時間以上あること

④賃金が月額8万8000円以上であること

⑤学生でないこと

 

厚生年金に加入すれば、同時に健康保険の加入対象にもなります。

健康保険に加入できると、出産や病気、けがで仕事を休み、賃金が得られない場合に「出産手当金」や「傷病手当金」を受け取れるようになります。

 

なお、2024年10月からは、更に対象が拡大し、51人以上の従業員数の事業所も対象となります。

 

 

京セラ美術館「昭和美術会展」へ

台風15号の影響か、雨が降る中、京セラ美術館へ。

「第46回 昭和美術会展」を見に。

 

 

友人である内野光子さんが出展され、しかも、会友奨励賞という賞を受賞。

 

これが内野さんの作品「祈りは空へ」。

 

 

ドイツの街とのこと。塔と雲と街並みがとてもマッチして、静けさが伝わってくる。

この絵は、水彩画や油絵ではなく、日本画とのこと。

 

内野さんは、仕事を退職してから絵の学校などに行って学ばれた。

いくつになっても、努力すれば、才能は開花するんやなあ。

 

(相続・遺言)遺言で寄付したい(遺贈寄付)

自分の遺産を死後に、慈善団体や自治体あるいはお世話になった医療施設などに寄付したいと考える人がおられます。

そのような場合には、遺言書を書けば、死後でも寄付することができます。

法律的には、これを「遺贈」(いぞう)と言います。

 

今の日本では高齢者が増加する一方、子どもの数(出生率)は減少しており、相続人がいない高齢者の方もたくさんおられます。あるいは、相続人がいても、疎遠だったり、「相続させたくない」と考える人もおられるのではないでしょうか。

 

ここで遺言で遺贈寄付をする場合の注意点を少し書いておきます。

・どこの団体に寄付したいか、きちんと書いておきましょう。

・できれば、「すべての財産」と書くよりは、どの財産を遺贈したいか特定した方がいいですね。「すべての財産」と書くと、借金も含まれてしまい、受け取る側に負担が生じる場合もあります。

・不動産については、売れない土地建物や山林などもありますので、生前に、寄付したい団体の意向を尋ねておいた方が良いと思います。そうでないと、せっかく遺言を書いても、「いらない」と言われてしまいますから。

・死後に、寄付を受け取る側と相続人とが揉めないように、相続人の遺留分にも配慮しましょう。相続人がおられる方は弁護士に相談された方が良いと思います。

・遺言書の中に、死後に遺言の内容に従って実行してくれる遺言執行者を指定しておきましょう。これも弁護士に依頼すれば、遺言の書き方も教えてくれ、かつ遺言執行者にもなってくれるでしょう。

 

次に、私が過去に扱った遺贈寄付のケースをいくつか紹介しましょう。

 

1つは、東山区のAさんの場合。

遺言書があり、寄付することと遺言執行者の指定はありましたが、寄付先の指定がありませんでした。困った遺言執行者の人が相談に来られ、Aさんが生前お世話になっていた施設を複数選び、遺産であるお金を寄付しました。

 

2つ目は、伏見区のBさんの場合。

Bさんは、ガンで入院中でしたが、生前、遺言で自宅不動産をその入院先の病院に寄付したいという相談がありました。しかし、その病院が不動産は受け取らないと言われましたので、「どうするか考える」と言われたまま、その後は相談には来られませんでした。

 

3つ目は、左京区のCさんの場合。

Cさんもガンで、一人暮らしの自宅で闘病中でした。人望がある人で、たくさんの友人らが交代でCさんを看病されていました。

相続人は姪一人でしたが、Cさんは姪以外にも友人にもあげたいし知り合いの団体に寄付もしたいと言われ、公正証書遺言を作成し、私が遺言執行者となりました。

公正証書遺言を作成された時はまだお元気で、公証人役場にも自分で来られましたが、それから2週間後に亡くなられました。

 

どんな所に寄付したいかは人それぞれだと思います。

ちなみに私は、「遺贈寄付を受けます」という新聞記事を読み、ユニセフ、国境なき医師団、全国こども食堂支援テセンター・むすびえの3団体から資料を取り寄せています。

 

遺贈寄付を考えておられる皆さん、お気軽にご相談ください。

 

 

 

いまだに現金払いはなぜ?

2022年9月15日付け毎日新聞夕刊の「発言小町」の欄に、「いまだに現金払いの人なぜ」というテーマで様々な人の発言が掲載されていた。

 

掲載されていた「発言」は、

・単純にお金が好き

・スマホに頼ることに不安がある

・友人と精算する場合、現金の方が簡単

・子どもの学校関係などで細かいお金が必要

・家族に使い道を知られたくない

・クレジットカードは暗証番号や使った金額を管理する必要があり、不正利用にも警戒。

などなど。

 

何を隠そう、私も基本的には現金払い派。

アナログ人間やからね。

不正利用や通信障害、ハッキングも恐い。

 

現金払いとは関係ないが、7月に登山ツアー(現地集合、現地解散)に参加した時の帰りのこと。山頂で、駅に着くのが遅くなることが予想され、下山後、予定されていた時間に合わせた電車に乗れないことが判明した。しかし、その日、あのKDDIの通信障害が発生しており、auで帰りの切符を予約していた人たちはスマホで時間変更することができなかった。

(もちろん私は帰りの電車の切符の予約はしていなかった)

スマホだけに頼っていると、こんなことも起こる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハリオ製土鍋で、ツヤツヤつやごはん

これまで炊飯器でしか、ごはんを炊いたことがなかった。

ずっと以前から土鍋でごはんを炊いてみたいと思ってはいた。

でも炊飯器であれば、スイッチをいれさえすれば音で炊き上がりを教えてくれるが、土鍋だと火加減が難しく、ずっとコンロの側についていなくてはならないのではないかなどと思い、なかなか変えることができなかった。

 

今年初め、スキーツアーに参加した時、たまたま同室になった女性がハリオ製の土鍋を使っていてごはんがとても美味しく炊けると教えてくれた。

それを聞いた後も、どの土鍋がいいか調べたりして、なかなか購入には至らなかったが、今月、とうとう、思い切って、そのハリオ製土鍋(1~2合炊き)を購入した。

「フタがガラスのご飯釜」で、土鍋部分は蓄熱性の高い萬古焼、ふたは耐熱ガラス製で、ブクブクと泡を立ててお米を炊いている様子が見えるようになっている。

 

土鍋の内側に1合と2合の水の線も入っている。

使い方は簡単。

気に入ったのは火加減が不要なこと。中火で7~15分で、笛吹きやかんの笛のような音がする(はず)。ただ、説明書に「音が鳴らない場合もある」と書いてあり、私が買った物はやかんほど大きな音はしないが、かすかに音が鳴る。

音が鳴り始めて更に1分炊いて、火を止める。

蒸らしは15分。

こげもなく、ムラなくふっくらツヤツヤの炊きたてごはんが出来上がっている。

もちろん味も申し分なし。

 

食も一層進む。「土鍋でごはん」はオススメである。

 

 

 

 

 

 

 

 

兵庫県の緩和ケア医関本剛医師のことは、当ブログでこれまで2回書かせてもらった(2021年5月3日付けと2022年5月11日付け)。

 

私は、2021年5月3日兵庫県弁護士会が主催した憲法記念日記念行事で、関本医師の講演をZOOMで聴いた。

そして、本年4月、45歳の若さで亡くなられたことを知った。

 

yahooニュースで、今、関本医師の葬儀で流された、ご本人の「別れのあいさつ」をYOUTUBEで見ることがこでることを知った。既に200万回再生されているとのこと。

 

肺がんの脳転移がわかったのが2019年10月7日。その約1年後の2020年10月10日に撮影されたのが「別れのあいさつ」で、通夜や葬儀でこの映像が流されたという。

静かに、そして淡々と語っておられるが、死を覚悟し、最期の最期まできちんと準備をされているのは、なんと強い精神力だろう。

人柄が偲ばれる映像だった。

 

 

 

 

 

 

 

2022年9月8日と9日の2日間にわたって、京都弁護士会では、法律相談委託団体担当者の研修会が開催されました。

 

主に、京都府下の各市、京都市内の区役所、各市の男女共同参画センターなど行政関係の法律相談担当窓口の職員が対象の研修会です。

 

弁護士会は、週に1回あるいは月に1回など、弁護士を自治体などに派遣して無料法律相談を行っていますが、弁護士が行政の窓口に常駐しているわけではありませんので、日々の対応は相談担当窓口の職員の方になります。

府市民から日々寄せられる相談に対応するだけでなく、それが行政が対応すべき相談なのか、法律相談なのか、他の専門機関に委ねるべき相談なのかなどを振り分けも求められ、大変な仕事だと思います。

 

今回、弁護士会が行った研修の講義は、1日目は、民事法律扶助制度(いわゆる法テラス)、相隣関係に関する問題、多重債務に関する問題の3講義で、2日目は、離婚に関する問題でした。

 

私は、「離婚に関する問題」の講義を担当しました。

大半の参加者はオンライン配信による参加だったので、反応はよくわかりませんでしたが、会場に直接来られた方は熱心に聞いてくださいました。

 

私は、自治体の男女共同参画センターの女性相談を担当することが多いのですが、担当者の方々が法律相談の予約を受ける際に、相談者に心の悩みなどがあるような場合などには、時間をかけて話を聞いて、それに応じた対応をされています。

また、弁護士が相談日に赴いても予約が入っていない時間帯もあります。そんな空き時間があるような場合には、職員の方から担当されている事案の法律的なアドバイスを求められることもあります。熱心に勉強されていると思います。

 

職員の皆さんは、弁護士が法律相談日にやって来たら、もっと気軽に声をかけて、日頃の疑問を尋ねてほしいと思います。

 

 

 

「時計」考

今朝(2022年9月9日)の京都新聞朝刊1面と13面にこんな記事が載っていた。

「高級時計人気 ”バブル越え”」

なんでも、京都市内の百貨店で高級腕時計の人気が過熱し、バブル期を越える売り上げが続く店舗もあり、300万~500万円の製品がよく売れているとのこと。

 

このような高級時計を買い求める人は、時計は時間を確認するためではなく、ファッションやアクセサリーの一部なんだろう。

「経済格差の象徴そのものや」と思った。

 

私が腕時計を使わなくなったのは、いつ頃からだろう。

結構、時間には正確な性格なのだが、次第に腕に時計を装着している時の感覚が嫌いになり、電池が切れたことを機に、時間は携帯電話で確認するようになった。

事務所や自宅では壁の時計や置き時計で時間を確認できるし、法廷にも時計はある。

たまに携帯電話を携帯し忘れて、しまった!と思うことはあるが・・・

 

そう言えば、以前、利用者の少ない駅などで、時計を撤去する作業をJR東日本が進めているという新聞記事を読んだことがあった(2022年5月29日付け毎日新聞朝刊)。

管内全体の約3割にあたる約500駅を対象とし、10年程度で撤去する計画という。経費節減が理由。年間3億円程度の節約効果があるらしい。

しかし、「消えた時計」は地域に波紋を広げており、市議会が再設置を求めて決議したりJRに見直しを要請しているところもある。

 

時間を確認するため、携帯電話やスマホをいちいち取り出し確認するのは面倒。荷物が多ければなおさらだ。それらを持っていない子どもたちや老人もいる。

電車の発着は時間が命。

駅の時計だけは撤去しないでほしい。

 

 

 

 

 

 

宇野碧作「レペゼン母」を読んで

誕生日に、中学時代の友人Mちゃんから、本が送られてきた。

それが、宇野碧(うの あおい)作「レペゼン母」。

なんでも、作者の碧さんは、Mちゃんの高校時代の友人(和歌山在住)の娘さんとのこと。

この作品は、第16回小説現代長編新人賞を受賞している。

 

物語の軸は、ヒップホップ。主人公は深見明子という64歳のおかん。

ヒップホップと言っても、ダンスの方ではなく、ラッパー同士が即興のラップで相手を「ディス」り合う、つまり罵倒し合う、ラップバトルで、MCバトルともいう。

ダンス好きな私は、50代の頃5年ほど、ストリートダンスを習ったことがあり、そこで初めてダンスバトルという「試合」があることを知ったが、ラップバトルというものもあることをこの小説で初めて知った。

 

「レペゼン」という言葉もわからなかった。

ネットで検索すると、「represent」(代表する)の略で、ヒップホップ用語。「俺は京都を代表してここにきた」「俺は京都を仕切っている」というように使うらしい。

 

ストーリーは・・・

明子は夫を亡くし、1人で和歌山で梅農家を営む64歳。

息子の雄大は、家を飛び出し3年以上行方不明のままで音信不通。明子は、息子の再婚相手沙羅と二人暮らし。沙羅はMCバトルに命をかけており、明子も練習につきあったりしていた。

そんな折り、雄大が大麻取締法違反で逮捕とされたとの連絡が入る。面会に言った明子に対し、雄大はMCバトルの香川代表になったので保釈金を出してほしいとあつかましい要求をする。

拒否した明子だったが、考えが変わり、明子も特別枠で雄大が出場する同じバトルに出場することに。

母と息子の対戦はいかに・・・

 

64歳でMCバトルに出場するおかんなんて、とても素敵。

きっと、碧さんの母親も明子に似たような人なんやろうな、と思わず想像してしまった。

MCバトルというなじみのない世界が描かれていたが、親の気持ち・子どもの気持ちのスレ違い、親子・家族とは何か、言葉で語ることの大切さ、そしてジェンダー平等などを考えさせる、とても面白い作品だった。

 

月別アーカイブ

弁護士紹介TOP