1. 2023年8月

2023年8月アーカイブ

長年、弁護士という仕事についているので、若い頃は、刑事事件の弁護活動も何件も行いました。ただ、信条として、暴力団関連の事件と性犯罪の事件の弁護はしませんでした。

 

弁護士が性犯罪の弁護をする場合、「情状」として決まって使用されるのが「同意があると思った」や「被害者が派手な服装をしていた」などという内容です。

 

今の日本では、何を着ても服装は自由なはずなのに、なんで性犯罪が行われた時だけ、女性被害者の着ている服装が問題となり、それが犯行を犯した被告人の「情状」として主張されるのだろうと、ずっと疑問に思っていました。

 

8月、韓国の人気DJの「DJ SODA」さんが大阪の音楽イベントで受けたセクハラ被害を訴えたというニュースがありました。

それに対し、SNSでは、「露出度の高い服を着ている方が悪い」などという書き込みがあったそうです。なぜ、被害者に加害の責任を押しつけるのでしょうか。

DJ SODAさんは「どんな服を着ていても、正当化できない」と発言しました。

 

「DJ SODA」さんの発言は至極当然であり、被害者の服装によって、加害者の罪が軽減されるようなことはあってはならないと思います。

ちなみに、国連も「性的暴力のサバイバーが襲われた時、何を着ていたかは関係ありません」というメッセージを発信しています。

 

 

 

 

 

 

 

木村セツさんの新聞ちぎり絵原画展へ

「新聞ちぎり絵」なるものを知ったのは、つい1年前のこと。

知り合いになった名古屋在住の友人作成の絵手紙には、新聞ちぎり絵が描かれていた。その淡い色合いにとても惹かれた。

 

「94歳の新聞ちぎり絵作家」がいることも知った。奈良県在住の木村セツさんだ。

SNSのフォロワー数はなんと12万人超とのこと。

新聞ちぎり絵は、手で細かくちぎった新聞紙(主にはカラー刷りページ)を、鉛筆で書いた下絵の上にのりで貼って重ねていく。とても緻密な作業だ。

 

その木村セツさんの原画展が、8月1日から15日まで、事務所近くの誠光社という書店で開催されることを知り、行ってきた。

 

身近なものを題材とされており、その淡い色合いと、よく見るとところどころに新聞の文字が見えるのが面白い。絵のデザインも素敵だ。

 

 

 

名古屋の友人には、是非、京都に来た折には、「新聞ちぎり絵」の講習会を開催してほしいとお願いしてある。

セツさんは、90歳からちぎり絵を始めたという。新しいことに挑戦する意欲が素晴らしいね。

 

憧れの栂海(つがみ)新道縦走は過酷だった

「次はどこの山に登るの?」と聞かれ、「朝日岳から栂海(つがみ)新道を歩く」と答えると、それなりの登山経験者じゃないと、「それどこ?」ということになる。

栂海新道は、知る人ぞ知る登山道だ。

 

栂海新道は、北アルプスの朝日岳(2418.3m)と北アルプスの最北端の新潟県親不知海岸(海抜0m)をつなぐ約27㎞の縦走路である。

3000m級の山から海へ・・・このような縦走路は他にはない。聞いただけで夢とロマンがあふれる。

亡小野健さんら「さわがに山の会」の人達が約11年もの歳月をかけて切り拓き、1971年登山道は開通した。

そこを歩くことは長年の私の夢だった。

そして、とうとう7月末、栂海新道を踏破した。ヘトヘトになりながら・・・・

 

雨が降ったりして目的の山に登れない時、かつて登山仲間の間では「山は逃げないから。また次ね。」という会話が飛び交っていた。しかし、年を重ねるとともに、体力の低下は著しく、最近は「山は逃げないけど、私たちの方が登れなくなるよね」という会話に変わっていった。

自分自身でも体力の低下は十分自覚しており、出発日が近づくにつれ、本当に歩き通せるのだろうかという不安と緊張で一杯になった。

 

1日目は、朝日岳の小屋(朝日小屋2140m)へ。

朝日岳は、2000m級の山としては、北アルプスの最北に位置する。

富山県から入り、北又小屋(690m)からイブリ尾根を登る。標高差1450m。急登の連続だったが、こまめに休憩を取ったせいか、心臓バクバク、呼吸ハアハアというほどではなかった。

朝日小屋は3回目の泊だったが、食事がとても美味しいことで有名で、オススメの小屋だ。また小屋主の清水ゆかりさんは、最近、出版された「彼女たちの山  平成の時代、女性はどう山を登ったか」(山と渓谷社)という本にも登場されている。

 

2日目。いよいよ朝日岳を経て、吹上のコル(分岐)から栂海新道に足を踏み入れる。この日は、栂海山荘(無人小屋)まで。

 

吹上のコルから朝日岳を望む

 

最初は、チングルマやハクサンコザクラなどたくさんの高山植物が咲くなだらかな登山道を歩く。アヤメ平には、青紫のヒオウギアヤメが満開に咲いている。まさに天上の楽園。

 

 

しかし、その後はひたすら「登っては下る」の連続。結構、急な登りもあった。しかも、ムチャクチャ暑い!やっと到着した「北俣の水場」で明日の分まで水分補給。少し生き返る。そこから、犬ケ岳(1593m)まで、またひとしきりアップダウンを繰り返した。そして、約9時間半歩いてようやく栂海山荘(無人小屋)に到着した。

 

3日目。山荘から急坂を下り、またアップダウン地獄が始まった。下駒山(1241m)への登りはとてもきつかったが、更にその後も白鳥山(1286,9m)への長くきつい登りが続いた。栂海新道は、巻き道を作らず尾根に沿って登山道が作られているので、アップダウンの連続だ。3日目は花はほとんどなく、全身汗でびしょ濡れになりながら、景色を楽しむ余裕もなく、ただただゴールに到達することだけを考え、黙々と歩いた。

白鳥山を越えても、いくつかアップダウンがあり、遠くに海が見え始めるも、なかなか標高は下がっていかない。

最後は必死に下って、やっと栂海新道登山口へ到着。歩行時間約10時間。もうヘトヘト・・・

 

 

その後、約80段の階段を海まで降りて、海面タッチ!ばんざ~い!

 

 

憧れた栂海新道縦走。過酷すぎる・・・

「やりとげた感」はあるが、誰かから「お金を全額出すから、もう1度行こう」と言われても、私は2度と行かない!

 

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