主には、特定の企業や団体に属さず、個人で仕事を引き受ける人をフリーランスと言います。
ITエンジニアやアニメーター、通訳、カメラマン、デザイナーなどが代表的で、新たな働き方として社会に定着してきました。
「ウーバーイーツ」など料理宅配の配達員も同様です。
2020年の国の調査によると、全国で462万人いるそうです。
しかし、立場が弱く、発注事業者から不利な条件を強いられるなど様々なトラブルが起きています。フリーランスは、労働者ではないので、労働基準法などの適用はありません。
そこで、2023年5月フリーランス取引適正化法が制定され、2024年11月から施行されます。
新法では、発注事業者は、書面やメール等により、業務の内容や報酬の額・支払期日などの法が定める取引条件を明示しなければなりません。これまでは、「多くは口約束で、事前に契約書を作るのはまれ」といったことも。公正取引委員会の実態調査でも、45%が取引条件を明示されなかったことがあると回答しています。
また、従業員を使用している事業者は、発注した物品などを受け取った日から数えて60日以内のできる限り早い日に報酬支払期日を設定し、期日内に報酬を支払わなければなりません。
更に、セクハラやパワハラなどのハラスメント対策の体制を整える義務も課しています。
法違反があった場合には、公正取引委員会などが指導や勧告を行い、従わない場合には、命令や社名公表もされ、命令違反には50万円以下の罰金が科せられます。
なお、発注事業者の義務の具体的内容については、公正取引委員会や厚生労働省のホームページをご覧ください。