原田正純先生・・・
熊本大学大学院時代に「水俣病」と出会い、一貫して患者の立場から研究を続けてきた医師。2011年2月14日には、地球環境保全に貢献した人をたたえる「KYOTO地球環境の殿堂」を受賞された。
私は、以前、宇治ユニチカ工場の労働者のCS2中毒による損害賠償訴訟に関わった時、原田先生に患者側証人としての証言をお願いし、その尋問担当者として、熊本のご自宅にも伺ったこともあった。
ちっとも偉ぶらない優しいお医者さん。
その原田先生のインタビュー記事「3.11 水俣から」が、5月25日付け朝日新聞朝刊に掲載された。
「水俣病では、政府も産業界も学者も、安全性の考え方を誤った」「50年たっても教訓は生かされていない」
「科学が無能、無力ではなかった。ただ、その指摘を無視してきたわけ」
「国の意を受けた学会がどんな役割を果たしたか。同じことが今回も繰り返されている」
「本当に原発の専門家であれば、当然、今回の事態を予測しなきゃいけなかったはず」
「放射線の影響には未知の部分があることもしっかり押さえておかないといけない」
「(住民の健康問題について)長期にわたって管理し、体に何か起きたときはすぐに対応する、そういう態勢が必要」
「水俣の苦い経験を、今度こそ、学んでほしい」
原田先生の一言一言は、水俣病との長い闘いに裏打ちされたもので、重みがある。
記事の文末に記者がこう書いている。
「『ちょっと偉そうに言わせてもらった』。インタビューの直後、席を立つ原田さんの口から漏れた言葉だった。ちっとも偉そうじゃない人からそう聞くと、言葉の一つ一つが深みを増す。『想定外の津波で・・・』と繰り返した原子力の専門家たちの偉そうな言葉が、空しく聞こえる」
全く、そのとおり!
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