1. 原発判決を下した裁判官たちの告白
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原発判決を下した裁判官たちの告白

 
過去、原発の運転差止めなどを求める裁判で、それを認めなかった(=住民敗訴)裁判官たちが、3月11日以降、どのような思いでいるのか知りたかった。
 
毎日新聞は、過去の主な14件の訴訟に関わった元裁判官36人に取材を依頼し、10人が取材に応じたとのこと(2011年9月17日付け毎日新聞朝刊)。裁判官経験者が個人的思いを語るのは異例のこと。
 
1992年に確定した福島第2原発1号機訴訟の2審担当・木原幹郎弁護士「理系のスタッフがいるわけでもなく、(審理は)とにかく難しかった」
2000年に確定した同3号機訴訟の2審担当・鬼頭季郎弁護士「原発を止めればコストがかかる。原発推進の社会的・政治的要請の中、司法が足を引っ張るような判断ができるのか」
2000年に確定した石川志賀原発1号機の2審担当の元裁判官「法と証拠に基づいて判断した。個人的見解や政治的意見で判決したのではない」
1993年確定の福井高浜原発訴訟の1審担当・海保寛弁護士「今度の事故を目のあたりにすると、認識は甘かったと感じる」
元最高裁判事「まず国会や行政手続きで国民が納得できるような議論をすべきだ」
 
多くの元裁判官は、原発の司法判断の困難さを指摘しているという印象を受けた。
 
来週、京都では、石川志賀原発2号機訴訟で運転差止めを認めた元裁判官井戸謙一弁護士(滋賀弁護士会)の講演会が予定されている。井戸さんは、既にあちこちのマスコミで思いを語っておられるが、なぜ英断を下すことができたのか、その思いを直接聞いてみようと思う。
 
 
 
 

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