1. 井戸謙一元裁判官の講演
ブログ マチベンの日々

井戸謙一元裁判官の講演

 
昨夜は、井戸謙一元裁判官(現在、滋賀弁護士会所属)の講演があった。これまで、新聞記事などのインタビュー記事は目にしていたが、是非、直接、話を聞きたかった。
 
井戸さんは、京都地裁においても長く裁判官として仕事をされ、私もいくつかの裁判を担当してもらったことがあった。
 
講演の骨子は、①志賀原発2号機運転差止め訴訟判決の話、②弁護士として現在関わっておられる、ふくしま集団疎開裁判と若狭原発再稼働禁止仮処分の話、そして③思い出の判決の話。
終始、淡々と語られ、原発差止め判決についても、審理を通じて自然に出た結論であって、特段思い切って出したわけではない、と言われた。
差止めが「自然に出た結論」と言い切れるところに、井戸さんの素晴らしい感性・人間性があると思った。
また、本年3月12~15日までの間は国は放射性物質の拡散の情報を一切公開せずに国民を被爆させるに任せたことや一般の放射線年間許容量をほとんど説明もなく20ミリシーベルトに上げたことなど怒りを持って語られた。
最後に、「裁判官生活の感想」として、原発差止め判決はもとより、住基ネットの個人情報削除判決など、井戸さんが「これは」と思う判決は、ほとんど上級審で取り消されたが、1人の生身の人間として信じるところに従って仕事ができ、楽しい裁判官生活だったとおっしゃった。
 
わたしたち弁護士も、裁判官の心を動かすような仕事をしなければ、とあらためて思った。
 

月別アーカイブ

弁護士紹介TOP