京都の老人ホーム「同和園」の医師中村仁一さんの著書(幻冬舎新書)である。今、書店の新書売り上げの上位を占めている。
新聞で広告を読んだとき、すぐに「読んでみたい」と思ったが、幼ななじみのshocoさんのブログ(http://bell-shoco.cocolog-nifty.com/)にいち早く取り上げられていたので、私も早速読んでみた。
面白かった!
両親を二人ともガンで亡くした私は、テレビドラマで観られるような、家族に別れの言葉を告げて静かに息を引き取るという死に方なんか現実にはないと思っていた。両親は危篤状態になると、父は人工呼吸器を装着され、母は激痛のためモルヒネを打たれてずっと眠ったままだった(いずれも私が「同意」したものだったが)。
中村医師は、老人ホームでの12年間の経験の中で、ガンでさえも、何も治療などしなければ全く痛まず、静かに死んでいくと言う。延命治療は死を少しばかり先送りすることはできても回避する力はない。本人に苦痛を与えるだけ。
そして「死ぬのはガンに限る」。ガンの宣告を受け、治療を受けなければ、「死」への準備もできるし、残された日々を納得して過ごすことができると。
私は、医者嫌い、薬嫌いである。
実は、ここ数日、軽い風邪気味で夜になると咳き込むことがあり、「薬を飲め!」と言う人もあったが、飲まなかった。
だから余計に「自然死」にはとても惹かれる。でも、いざ自分がガン宣告を受けた時、冷静に治療を受けないという選択をするかどうかは、shocoさんと同じくわからない。
「自分の死を考える」のは、「死に方」を考えるのではなく、死ぬまでの「生き方」を考えること・・・・この言葉を重みを反芻しながら生きていきたい。
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