毎週木曜午後9時からテレビ朝日系で放映されていた米倉涼子主演の「ドクターX」。
先週12月13日の最終回は、24.4%と高視聴率を獲得した。
主人公は、「白い巨塔」の大学病院にフリーランスの医師として「派遣」されて働く女医大門未知子。
どんな難しい手術でも「失敗しませんから」と言い放ってやってのけ、また事務的な仕事については「医師資格がいらない仕事は致しません」 と堂々と拒否する。
大学病院の院長だろうと、部長だろうと、権力におもねず、はっきりモノを言う。実に痛快。
脚本は、5年前の篠原涼子主演の「ハケンの品格」と同じ中園ミホ。
「ハケンの品格」も当時、高視聴率を獲得した。派遣社員の主人公は午後5時以降の残業を拒否し、正社員が残業するのを「無能だから」と言い切るところなどが痛快だった。
テレビドラマだから内容にはコメディタッチの所もあるが、これだけ高視聴率が得られるのは、普段、自分の権利も行使できず、上司にモノも言えず、正社員と同じ仕事をしているのに低賃金で、日々耐えながら働いている、とりわけ非正規雇用の労働者たちの声を代弁しているからのような気がする。
ところで、ドラマだから、あまり野暮なことは言わないが、法的な解説を少しだけしておく。
まず、「医師の派遣」は現在派遣法で禁止されており、派遣労働者として働くことはできない。職業紹介を受け、病院と直接雇用契約を結び、雇用期間を定めて働くフリーの医師は実際にいるらしい。
次に、ドラマでは、岸部一徳演じる神原が大門の労働の請求書を持って取り立てに行く場面が何回か出てくるが、これは、大門が派遣労働者でないならば、賃金は労働者(すなわち大門本人)が病院から直接受領しないと、労働基準法違反になる。
続編を大いに期待している。
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