1. 事務所界隈(その1)~消える「街の顔」の名建築~
ブログ マチベンの日々

 
わが事務所は、堺町(さかいまち)通りに面している。
堺町通りは、京都御所の堺町御門からまっすぐ南に延びる通りである。
京都地方裁判所に近く、静かな街並みではあるが、結構、有名な場所も少なくない。
 
事務所を出て堺町通りを南行すると、最初の十字路が夷川(えびすがわ)通りである。
夷川通りのうち、寺町(てらまち)通りから烏丸(からすま)通りまでの間は、昔は家具屋さんが何軒も軒を連ね、家具の街としてにぎわっていた。おそらく京都の娘さんたちは皆、ここの家具屋で婚礼家具を買って持って行ったのだろうと思う。
でも、近年、夷川通りの家具屋がいくつも店をたたみ、跡地にはマンションが建ったりして、次第に街の様相も変わっていった。
 
堺町通夷川角に「宮崎本店」という家具屋さんがある。
白いタイルの外壁に、曲面ガラスのモダンな外観。ガラス越しに中を覗くと、高級そうな桐のタンスなどの家具や工芸品がたくさん飾られてあった。
 

 
2013年1月30日京都新聞夕刊によると、京都大学時計台の設計者として知られる武田吾一が監修し、弟子の宇都宮誠太郎設計で1936(昭和11)年に完成した建物とのこと。
しかし、耐震補強にかなりの費用が必要で、店を残すためやむなくこの建物を解体し、1階に店舗が入る5階建てのマンションが建つらしい。
 
風情ある「街の顔」がまた1つ消えていく。これも時代の流れか。
解体される4月まで、しっかり目に焼き付けておきたい。

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