先日報道された、復興庁の水野靖久参事官のツイッターでの「左翼のクソどもから、ひたすら罵声を浴びせられる集会に参加」という発言には、心底、腹が立った。
これは、被災者を支援する市民団体が開いた集会に参加した後のツイッターへの書き込み。
テレビ取材を受けた復興庁職員の中には、この発言のどこがおかしいのか?と言う人もいて(顔は隠してあったが)、今更ながら、官僚、お役人の「上から目線」や「傲慢な態度」にあきれてしまった。
このような「左翼」発言は、水野参事官だけではない。
安倍首相も、6月9日の渋谷ハチ公前での都議選候補の応援演説について、フェイスブックで「聴衆の中には左翼の人達が入って来ていて、マイクと太鼓で憎しみを込めて(笑)がなって一生懸命選挙妨害していました」と書き、更に、その「左翼の人達」を「恥ずかしい大人の代表」と書いた。
マスコミは、水野参事官の発言だけを批判し、安倍首相の発言は追及しないのか!と思っていたら、6月16日付け朝日新聞朝刊に、松下秀雄論説委員が安倍発言を取り上げていた。
実は、安倍首相の演説の横で、「TPP反対」「自民党はうそつき」などと抗議する人たちは、「TPPを断固反対する国民行動」の人たちで、以前から当日そこで集会を開くことを計画していた。
松下氏は、「『朝日新聞』を左翼と呼ぶ人もいるが、私は共産主義者でも社会主義者でもない。国やふるさとを愛するのも、人に無理強いするのでなければ、すてきなことだと思う。歴史を直視しようとする人は自民党にもいる。左右の境界はぼやけている」と言う。
現体制を批判したり、人権擁護の発言をしたりすると、「左翼」「アカ」などの言葉で他人を批判する人は昔からいる。
結局、そのような言葉によって、中身を議論することを避け押しつぶそうとしているだけ。
例えば、TPP反対は、衆議院選挙前の自民党の公約ではなかったのか。
それを自民党がひとたびTPP推進に転じると、反対派に対し「左翼の人達」と言って切り捨てるのか。
自分が掲げる政策をその中身で議論しないで、反対の意見表明を行う国民に対し「左翼」と叫ぶ人に政治家の資格などあるのだろうか。
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