1. 「半沢直樹」の原作を読みました
ブログ マチベンの日々

「半沢直樹」の原作を読みました

 
毎回30%を超えるすごい視聴率をたたき出したTBSドラマ「半沢直樹」。
最終回は、関西ではなんと45.5%だったとか。
 
私も、大阪編の終わり頃から観始めた。
 
勧善懲悪のストーリーと聞いていたが、刑事告発しないことを昇進の取引材料としたり、
同僚の裏切りなんかもあって、結構、人間臭くて生々しい。
 
原作を読んでいなかったので、最終回のどんでん返しには驚いた。
ドラマのあの流れからすると、意外な結末で、納得できなかった。
 
そこで、最終回が終わってから、やおら原作を求めて書店に行った。
原作は、池井戸潤作の「オレたちバブル入行組」と「オレたち花のバブル組」の2冊。
 
原作を読んでみて、ドラマの流れは、原作にほとんど忠実だったと思った。
ただ、一番大きく異なるところは、ドラマでは、大和田常務への復習劇が大きな柱だったが、原作では、実は、半沢の父親は自殺しておらず、他の地方銀行が融資を行い助けたという設定になっている。
原作は、半沢が銀行という巨大組織の中で、いかに勝ち上がっていくかが中心なんだろうと思う。
また、頭取も「行内融和」を求める人物として描かれ、半沢が大和田の悪事を徹底して暴き立てたことが「行内融和」路線から外れ、「出向」という結末へも自然と流れ、得心した。
 
原作では、妻花の描き方も異なっていた。
ドラマでは、上戸彩演じる花は良妻賢母だったが、原作では、どこの家庭でもあるような、家庭を顧みない夫半沢にうるさく文句を言う妻で、企業戦士の半沢にとっては家庭も休まる場所ではないというところが現実的だった。
 
現実の企業社会には、半沢のような労働者はおらず、半沢が労働者のホンネを代弁してくれるから人気があると言われている。
それが日本の企業社会とは何とも悲しいことである。

月別アーカイブ

弁護士紹介TOP