1. 祝婚歌 (吉野弘 作)
ブログ マチベンの日々

祝婚歌 (吉野弘 作)

 
吉野弘さんという詩人が2月15日逝去されたことを新聞で知った。
恥ずかしながら、吉野さんのことは全く知らなかった。
吉野さんの「祝婚歌」は、結婚式の祝辞などで紹介されたりするらしいが、この詩が使われた結婚式に出席したことがなかった。
 
読めば読むほど、含蓄深く、過去の自分を振り返ると耳が痛い。
夫婦が、この詩のようなことを意識して生活すれば、もう少し離婚も減るのかな。
 
 
「祝婚歌」
 
二人が 睦まじくいるためには 愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは長持ちしないことだと 気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することになっても
非難できる資格が自分にあったかどうか あとで 疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと気付いているほうがいい
立派でありたいとか 正しくありたいとか 無理な緊張には 色目を使わず
ゆったり ゆたかに光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら 生きていることのなつかしさに ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか 黙っていても
二人にはわかるのであってほしい

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