1. 京大の時計台
ブログ マチベンの日々

京大の時計台

 
京大の正門をくぐると、真正面にそびえる時計台。
京大のシンボルの1つである。
 
昨夜9時からのNHKニュースで、この時計台の時計を40年間にわたって修理保全してきた杉谷さんという男性が高齢(84歳)のため、この仕事を辞めるということを特集で報道していた。
 
京大に在学していた頃、時計台の一番上の部屋などに入ったこともなく、杉谷さんが働いていたことも全く知らなかった。
杉谷さんは、要請があればすぐに駆けつけるべく常に待機し、たとえ旅行に行っても1泊で帰って来ていたとのこと。
おかげで時計台の時計は非常に正確に時を刻んでいたそうだ。
 
そんな時計台だが、私にはさして思い出はない。
 
私が京大に入学した頃、学生運動の激しさは下火になっていた。
でも、ヘルメットをかぶった学生が校内を闊歩し、教養部にいた頃は、時々、授業も妨害された。
そして、時計台の時計の真下には、どこからでも読める大きな白いペンキ文字で「竹本処分粉砕」と書かれ、私にとっては、それが時計そのものよりも強く印象に残っている。
ノホホ~ンと岐阜の田舎から京都に来た世間知らずの18歳の私にとって、それらが初めて見た現実社会のように思われた。
 
その学生運動の象徴でもあった「竹本処分粉砕」の文字が消されたのは、いつだったのか、私が在学中か卒業してからだったのか、はっきり覚えていない。
 
でも奇遇なことに、弁護士となってから知り合った元依頼者(当時はタクシー運転手)の男性が、自分が前に建築関係の仕事をしていた時、時計台の「竹本処分粉砕」の白ペンキ文字を消す仕事をしたと語ってくれた。
もう20年以上前に聞いた話だが、いつまでも頭に残っている。
 
今、時計台の下にはお洒落なレストランがあり、京大の建物もどんどん変わっていく。
杉谷さんは、時計台のてっぺんの小さな窓から、40年も変化を見続けて来られたんだなあ。
本当にご苦労様でした。
 
 
 

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