1. 「ちはやふる」の世界~競技かるた~
ブログ マチベンの日々

「ちはやふる」の世界~競技かるた~

 
子どもの頃、百人一首のかるたは持っていたが、本来の「かるた」遊びはせず、専ら「坊主めくり」ばかりをしていた。
せっかくそこに、いにしえの「歌」が書かれてあったのに、今から思えば、もったいない話だ。
 
依頼者の方から、面白い漫画があると言われ、かるたクイーンをめざす女子高生を描いた漫画「ちはやふる」を貸してもらって読んだ。
漫画の方は、現在もまだ連載進行中のようだ。
 
「ちはやふる」を読んで初めて、「競技かるた」の世界が私の想像を超えたものすごいものであることを知った。
百人一首の普通の遊び方は、上の句を詠んで、それにつながる下の句が書かれた札をたくさん取った方が勝ちというゲームである。
 
競技かるたは、それとは全く違う。
選手は、25枚ずつ50枚の取り札を幅87㎝の競技線内に自由に並べ、15分間で50枚の位置を暗記する。
読み手は、100枚全部を詠むため、詠まれた札が場にない「空札」もある。
敵陣の札を取ったり相手がお手つきをしたりすれば、自陣から「送り札」ができる。
そして、たくさん取った方が勝ちではなく、自陣の札が早くなくなった方が勝ちという競技だ。
 
囲碁や将棋のように「集中力」や「精神力」が必要なのはもとより、相手より速く札を取る(というより、はじきとばす)ための「瞬発力」や「体力」も求められる。
その意味で、競技カルタはスポーツかもしれない。
 
そして、私が何よりも興味を持ったのは、漫画の中に描かれている、名人ともなると最初の一文字を聞いただけで札をはじきとばすことが出来るということである。
すなわち、例えば、読み手が「か~」と詠んだ場合、最初の「か」だけを聞いて、下の句がわかる。
「か」に続く字の音の違いから、同じ「か」でも別の音に聞こえるということらしい。
それを漫画の中では「音になる前の音がある」「音の一歩先がわかる」という表現が使われている。
競技かるたでは、こういう音を聞き分ける能力を「感じ」と言うらしい。
 
面白いなあと思った。
思えば、中国語でも、「ン」という発音でも「n」と表記されるものと「ng」と表記されるものがあるが、中国人には簡単に聞き分けられるものが、私のような万年中国語初心者にとっては、その違いを聞き取ることはとても困難だ。
そんなのに似ているのかなあ・・・
 
人間の力というのは、本当に不思議でもあり、偉大でもある。
 
 
 
 

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