安倍首相と野党党首による今国会で初の党首討論が、5月20日開かれた。
テレビで時々、国会質疑の中継を観たりするが、なんで、答弁する側は、質問されていることに直截に答えないですまされるのだろうといつも思う。
それが、野党の質問をかわす手法なんだろうか。
ホンネを言ってはいけないからだろうか。
安倍首相は、それが顕著だ。
20日の党首討論もそうだった。
2015年5月21日付け京都新聞は「安保質疑すれ違い」と書いていたが、正にそのとおりで、常日頃、首相が語る「丁寧でわかりやすい説明」とはほど遠いものであった。
例えば、岡田民主党党首が、自衛隊の後方支援に関し、活動範囲が広がれば紛争に巻き込まれるリスクが高まかとただしたことに対し、安倍首相は「安全が確保されているところで活動するのは当然」と答え、正面からの回答を避けた。
また、志位共産党党首の、過去の日本の戦争は間違った戦争だったという認識はあるかという問いに対しても、首相は、歴代の内閣の談話を「全体として受け継ぐ」というだけで、自分の言葉として「間違った戦争」とは一言も言わないのである。
私たちが法廷で尋問をする時、当事者や証人が質問に対し、はぐらかすような答えをすると、裁判官は即座に「聞かれていることに答えなさい」ときつく命じることはしばしばである。
だから、「間違った戦争だったという認識があるか?」と問われたら、その答えは「ある」「ない」「わからない」のどれかであるはずだ。
でも、国会では、このような「はぐらかし」「すれ違い」答弁がしばしば見受けられ、何が国会審議だ、国民を本当に馬鹿にしているといつも思う。
なぜ、首相は一言「過去の戦争は間違いだった、しかし、これからはそのような間違いは絶対に起こさない」と自分の言葉で言わないのだろう。
それは、本音は「間違いだった」と思っていないから、としか考えられない。
将来、日本人が戦争に参加して犠牲者が出ても、また「コントロールされている」はずの原発でもっと被害が出ても、それを決めた政治家は誰も責任をとらない。
そういう政治家を選ぶか否かは、私たち国民自身が決めるということを肝に銘じる必要がある。
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