高山利夫弁護士(39期)が、8月6日、急逝された。
帰宅途中の電車の中で体調不良となり、そのまま帰らぬ人となった、とのこと。
58歳。
若すぎる突然の死亡に、気持ちの整理がつかないのは、おそらく私だけではないと思う。
高山弁護士とは、私が2011年末まで在籍していた京都法律事務所で、長年、同僚弁護士として、仕事を共にしてきた。
彼が京都法律事務所に入所した時の事務所報の自己紹介文に、彼は、次のように書いた。
「働く者の権利を守るためには命を賭けなければならなかった戦前に『生きべくんば民衆のために』と頑張り抜いた自由法曹団の先輩弁護士達と、宮澤賢治の『雨ニモ負ケズ』の人間像、これが究極の弁護士像だと私は思っています」
「働く人達の権利と民主主義を、働く人達と一緒に守る弁護士でありたいと思います」
「刑事事件についても執念をもってやろうと思っています。刑事事件は、どんな事件であっても常に人権にかかわるものだと思うからです」
など。
彼のことを思い出しながら、事務所報を読み返すと、彼の28年間の弁護士人生は、上記の「初心」がずっと貫かれていたと確信する。
タクシー労働者の労働事件、賃金差別事件、刑事冤罪事件などなど、共に関わった事件は、数多くあるが、彼は、常に、事実を丁寧に拾いあげ、先を見通し、決してブレず手を抜かず、事件に取り組んでいた。
私が仕事や人間関係などでしんどくなると、時々、愚痴を聞いてもらったりもした。
そんな時、華々しくパーッと活躍し、その後は疲れて消えていくより、地道で愚痴を言いながらもずっと信念を貫いた方がいいよね、などと互いに励まし合ったりもした。
事務所を離れてから、しばらくは共同で関わっていた事件があったが、最近は、あまり顔を会わせなかったので、今でも、亡くなったという実感が持てないでいる。
心からご冥福をお祈りします。
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