「山の日」に合わせたわけではないが、作者とタイトルに惹かれ、久しぶりに小説を読んだ。
湊かなえの「山女日記」(やまおんなにっき)、幻冬舎文庫。
湊かなえのデビュー作「告白」はベストセラーになり、映画も観たし、原作本も読んだ。
湊作品は、人間の弱さ、不安、悩み、憎しみなどを織り込んで、ミステリー調に展開するものが多く、読み終わった後は暗くなったりすることもあるが、やはり面白い。
「山女日記」は、「妙高山」「槍ヶ岳」「白馬岳」・・・「トンガリロ」など、タイトルに山の名前を冠した短編集で、各作品の登場人物は、どこかでそれぞれつながっている。
決して山紀行の小説ではなく、悩みを抱えて山に向かう「女」たちの心理描写が湊作品らしく展開されているので、山に登らない読者でも十分楽しめる作品だ。
私自身は、山を登っている時、何を考えているだろうか。
ただ、何も考えず黙々と登っているのではなく、仕事のこと、日常生活のこと、そして人間関係のことなど様々な思いをめぐらせながら、足を前に進めている。
山に登ったからと言って、何かが変わるわけではないが、どんなにしんどい山でも、下山すれば、すっきりした気分になり、また登りたくなるから不思議だ。
また、今回の作品は、ミステリーではないので、ほのぼのとした気持ちで読み終えることもできた。
とりわけ、ニュージーランドのトンガリロ国立公園には、機会があれば、是非1度行ってみたいと思った。
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- 「山女日記」(湊かなえ 作)を読んで
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