1. 中川俊直自民党衆議院議員の「重婚ウェディング」スキャンダル
ブログ マチベンの日々

 
(女性弁護士の法律コラム NO.236)
 
妻の妊娠中に不倫が発覚して自民党の宮崎健介衆議院議員(当時)が辞職したのが、2016年2月。
そして、今度は、今週発売の週刊新潮で、妻のガン闘病中に自民党の中川俊直衆議院議員が不貞を行っていたことが発覚した。
しかも、お相手の元愛人とハワイで結婚式まで挙げていたというのであるから、ほとほとあきれてしまう。
蓮ホウ氏が言うとおり、議員としての資格がないことはもとより、人間として失格!
自民党は、いつものとおり「進退については、本人が考えること」と突き放す発言をするのも無責任な話。自民党が推薦した議員ではなかったの?
 
ところで、この件に関し、「重婚ウエディング」というようなタイトルをつけているマスコミもあるので、「重婚」について若干コメントする。
中川議員の場合は、おそらく法的な意味の「重婚」ではないと思う。
 
重婚については、民法732条で「配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない」と規定されている。
民法が禁止しているのは法的な意味の「婚姻」なので、妻がいる夫が愛人と一緒に暮らしていても「重婚」にはならない。
 
もちろん、結婚している男性が他の女性との婚姻届を提出しようとしても、役所は受理するはずがない。
では、どのような場合に「重婚」となるのだろうか。
 
典型的には、夫が勝手に役所に離婚届を提出した上、愛人との婚姻届を提出し、その後、妻の訴えにより離婚無効が確定した場合である。
役所は、形式さえ整っていれば、離婚届を受理してしまうのである。
しかし、もちろん、夫が勝手に離婚届を提出する行為は、有印私文書偽造罪等の刑法上の犯罪に該当する。
 
これまでの弁護士生活の中で、夫が離婚届を勝手に出したという事件も、上記のような勝手に離婚届を出した上に愛人との婚姻届まで提出したという事件も、妻側で関わったことがある。
いずれも妻が刑事告訴を行って夫は処罰を受け、民事では離婚を無効とした上で、妻側からあらためて離婚等の請求を行った。
 
世の中、こんなことをする人間もいるのである。
 
 
 
 
 
 

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