9月7日発売の週刊文春を購入した。
別に、山尾志桜里衆議院議員の不倫疑惑記事が読みたかったわけではない。
めったに買わない週刊誌を買ったのは、「楠木新氏が教える『定年後』に輝くための7カ条」という記事が読みたかったからだ。
実は、楠木新氏(注、ペンネームです)は、大学の時のクラスメートである。
大学卒業後は全く交流がなかったが、数年前から毎年開催されているクラス会で再会し、50歳の頃から会社に勤務しながら、「楠木新」という名前で執筆活動をされていることを知った。
「人事部は見ている」(日経プレミアムシリーズ)とか「働かないオジサンの給料はなぜ高いのか」(新潮新書)など、結構、その著書は人気がある。
最近出版された「定年後」(中公新書)という本は、発行部数が20万部を超えたとのこと。
先日、書店に行ったら、この本が平積みしてあったので、やはり人気があると確信した。
今回の週刊文春の記事では、数多くの定年退職者や、中高年以降に会社員から異なる仕事に転身した人たちの取材から、定年後をイキイキと過ごすための行動のヒントが7カ条にまとめられている。
以下は、その要約。
第1条 退職3年前には準備を始める
自分の立場を変える、それまでの世界とは違う「面白いこと」を身に着けるのには、3年程度の時間が求められる。
より早くスタートする方がスムースに進み、選択の幅が広がる。
第2条 お金がもらえる趣味を探す
収入があるということは、誰かの役に立っていることであり、社会的なつながりを持つ活動になる。
また、自分の力量をアップすることにもつながる。
第3条 同窓会で子ども時代の自分を発見
子どもの頃と今がつながっている。
第4条 若い頃は趣味より仕事
40歳位までは懸命に仕事をした人の方が、その後の仕事の選択の幅が広がる。
働いている組織をよく知るためには、一度は仕事にどっぷりとつかった方が良い。
第5条 個人事業主に学ぶ
個人事業主は社会と直接的につながっている。
個人事業主に接触すると、会社員の自分を客観化することができる。
第6条 ロールモデルを探す
会社員から転身した人で、こうなりたいと自分が思う人に近寄り、時間と空間を共有しながら、その人と自分を重ね合わせてみる。
個性も経歴も異なったとしても、自分の歩む道も見えやすくなる。
第7条 自分を変えるのはムリ
自分自身を変えるのは難しい。自分を変えようとするよりも、ありのままの自分をどこに持っていけばよいのかを検討する方がうまくいく。
番 外 挫折や不遇体験は役に立つ
自分の悩みに関わることや、そこから派生することがきっかけで一歩前に踏み出す人が多い。
ここで大切なことは、悩みや挫折から目をそむけないこと。
楠木氏は、60歳の定年後から、他人の支援や介助を受けなくてすむ75歳くらいまでの期間を「黄金の15年」と名付けて、ここが人生後半戦の勝負所だとする。
そして、また、楠木氏は、最後に「顔つきがポイント」と言う。
「発言では美辞麗句を並べることはできても、顔つきだけはごまかせない」「その人の内面の状況をあらわすのは顔つきであるからだ」と。
「自分にとって本当に大事なものや、自分が果たすべき役割に気づいた人は、優しいまなざしをもった穏やかな表情になる」
「定年後は『いい顔』になることに取り組んでみればいいわけだ」と結ぶ。
私たち弁護士は、多くは、上記の個人事業主であり、定年はない。
それがいいか悪いか・・・
なぜかというと、「黄金の15年」をどう生きるのかを考えることなく、これまでと同じようにダラダラと人生を過ごしてしまう「恐れ」もあるからだ。
今のままでいいのか、と常に自問自答している。
最近は、大学のクラスには参加できていない。
来年は参加して、楠木氏と話をしてみたいと思った。
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