ドキュメンタリー映画「人生フルーツ」を観た。
東海テレビが制作し、これまで数々の賞を受賞した作品である。
いつも優れた作品を上映している京都シネマの最大の大ヒット作らしい(現在も再上映中)。
私は、そのような経緯も、ストーリーさえも、全く知らずに観た。
そして、ほのぼのとしているが、自立した生き方をされている老夫婦の素晴らしい日常の姿に深い感銘を受けた。
映画は、90歳の建築家津端修一(つばたしゅういち)さんと妻で87歳の英子(ひでこ)さんの夫婦の日常を2年間追った。
二人は、愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンに二人だけで暮らしている。
修一さんは、高蔵寺ニュータウンの基本設計をした人で、日本住宅公団のメンバーとして、戦後日本の団地やニュータウンを作り続けていたという経歴を持つ。
二人が暮らす家は、約50年前に、修一さんが尊敬するアントニン・レーモンドの自邸をマネて建てたもので、300坪の土地の上に、30畳1間の平屋の丸太作り。
枯れ葉をまいて土を耕した庭で、雑木林を育て、70種の野菜と50種の果物を無農薬で作る。
英子さんは、収穫した野菜や果物を使って、丁寧に手料理を作る。なんでも作る。
土鍋で炊いたご飯、梅干し漬け、コロッケ、ジャム、プリンなどなど、豊かな食卓が展開する。
修一さんは、洗濯をする、土を作る、畑仕事の道具や家の屋根を修理する、木を切る、障子を貼り替える・・・
二人は誰の手も借りず、それぞれが自分の好きなことをして毎日を過ごす。
おもてなしの心を大切にしながら・・・
修一さんは、若い頃は、日本住宅公団の花形の設計士だったが、自然と共生しない、効率優先の建築に失望し、転職し、80年代後半に念願たった自分らしい暮らしを実現する。
ガス湯沸かし器も電子レンジもない。コンビニにも行かない。
便利すぎる今の世の中から離れて、誰にもたよらず、信念を持って、穏やかに暮らしている。
私にとっては、手が届きようもない、理想的な暮らしです。
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