先日の京都新聞でも紹介されていたが、京都で、「手のひらに憲法プロジェクト」という取り組みが始まった。
これは、冊子「ポケット憲法」を多くの人々に広げていこうという取り組みである。
岡田知弘京都大学経済学部教授が呼びかけ人代表となり、京都弁護士会の尾藤廣喜弁護士や中村和雄弁護士も呼びかけ人となっている。
岡田教授が、雑誌「ねっとわーく京都」4月号に、その思いを語っておられた。
1928年に河上肇事件が起こった時、京都大学経済学部では、既に始まっていた思想弾圧を止められなかったという歴史の反省にたち、
「戦争という経験、戦争は必ず戦闘開始前に地方自治や学問の自由、報道の自由を奪っていく、こういった動きに対して、私たちは事前に警鐘を鳴らす責任があるのではないかと思います。そうした思いで今回『手のひらに憲法プロジェクト』を始めようと考えました」
童謡『手のひらに太陽を』(やなせたかし作詞)の「歌詞にはそれぞれが違っていてもみんな生きている、その権利があるし、泣いたり笑ったりしているー太陽のもとでそういったことができるのは、やはり平和な状態でしかできないことです」
「一人ひとりの子どもたちからお父さん、お母さん、お年寄りまで自分の問題として憲法の内容を知り、考え、自分のものにしていくことが必要ではないか、手のひらに、太陽と一緒に憲法をかざす人たちを広げていきたいという思いを込めて、こういう名称にしてみました」
「どのような立場でも、まずは憲法を手にとって、読んで内容を知ってもらうこと、そして主権者である私たち一人ひとりが考えて議論する運動を広げていくことが大切ではないか、その一助になることを目的にしてこの取り組みを考えました」
昨年の憲法記念日には、安倍首相が2020年までに改正憲法を施行すると明言するにいたった。
憲法を変えるという動きが加速する中、今一度、私たちが本当に憲法の内容を知り暮らしにあてはめていく必要があるし、このプロジェクトのように、そんな取り組みが色々な形で全国で起こってくるのがイイ。
なお、このプロジェクトが発行する「ポケット憲法」の内容は、日本国憲法と大日本帝国憲法、そして「あたらしい憲法のはなし」。
「あたらしい憲法のはなし」というのは、日本国憲法制定直後に国が文部省著作というかたちで、わかりやすく憲法の解説をしたものである。
普及は、1冊100円程度の支援カンパで、ホームページのみで受け付けをする。
(手のひらに憲法プロジェクトお問い合わせ先)
電話075-211-1161
URL http://pocketkenpo.com/
メール info@pocketkenpo.com
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