1. 紅葉の蛇谷ケ峰(じゃたにがみね) そして人助け
ブログ マチベンの日々

 
前日(27日)、10月28日(日)の天気は快晴ということがわかったので、紅葉と展望を期待して、急遽、滋賀県にある蛇谷ケ峰(じゃたにがみね。902M)に登ることにした。
 
蛇谷ケ峰は、滋賀県の山で、比良連山の北端にある。
これまで武奈ヶ岳から蛇谷ケ峰まで縦走し、滋賀県朽木の「想い出の森」に下山するというコースを2度程歩いたことがあった。
今回は、朽木スキー場からの登山コースを登ることにした。
 
朽木スキー場に着くと、登山者らしい車が1台停まっているだけだった。
最初、登山口がどこかわからなかったが、先に来ていた登山者2人が山の方向へ入っていったので、そこが登山口だと気が付いた。
登山口は、ゲレンデに向かって下の右側にあり、「さわらび草原」という大きな木の看板が立っていた。
 
登山道は広いジグザグ道で、歩きやすかった。時折、木々の間から琵琶湖を望むこともできた。
木々は紅葉していたが、あまり鮮やかではなかった。
 
 

 
 

 

 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
先行する二人の登山者は老夫婦のようで、妻だけがリュックを背負い、夫はダブルストックを突きながら、ヨロヨロと登っていた。
二人を追い抜いた後に、後方から、夫が「ジグザグ道でつまらない」と言い、妻が「高齢者にはピッタリ」と言う会話が聞こえてきて、私も体力が落ちてきているため、内心「そうだ、そうだ、ラクチンで良い登山道や」とつぶやいた。
 
山頂は、広々としており、快晴の青空のもと、360度の展望を楽しむことができた。
 
 

 
以前、蛇谷ケ峰まで縦走してきた武奈ヶ岳。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
琵琶湖遠望
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
山頂で昼食を作って食べて、1時間20分ほどのんびりしていた。
その間に、老夫婦も山頂に到着し、昼食を食べ、先に下山して行った。
 
上りは、朽木スキー場ゲレンデ下のさわらび登山口から出発したが、下りは、上ってきた登山道の途中の分岐からスキー場ゲレンデ上部につながる登山道を下りる予定にしていた。
 
山頂から少し下っていると、老夫婦の妻の方が一人で戻って来て「老人と会いませんでしたか?」と尋ねられた。
その地点までは1本道だったので、「誰にも会わなかった」と答えると、妻は、そのまま来た道を下りていった。
「おとうさんと、はぐれちゃったんかなあ」と少し心配になった。
 
分岐に着き、看板には、左方が上って来た道で「さわらび草原へ」、右方は「スキー場へ」と書かれていたので、右の登山道を進んだ。
 
ところが、「スキー場」への登山道を少し進むと、すぐに道が不鮮明となり、テープだけを頼りに、急な斜面を下りなければならず、「雨乞岳の二の舞や~」と不安になり、こちらのコースに来たことを後悔した。
それでも、テープを見つけながら注意深く下りていくと、そこに、なんと老夫婦の夫がうずくまっており、「2回転んだ」らしく、瞼や額から血を流していた。
ストックを持っていただけで、荷物は何も持っていなかった。
 
妻が先に行ってしまい、分岐の所で、上りはスキー場下部から上ってきたから看板の「スキー場」の方向へ下りたそうで、出会った時点までは、まだ上ってきた道を下りていると思っていたようだった。
すぐに妻に電話するように言うも、電話はコールだけでつながらなかった。
 
年齢を尋ねると、「82歳」と言う。登山も10年ぶりとのこと。
もとより放っておけるはずもなく、テープを頼りに一緒にゆっくりと下山することにした。
途中で妻にも電話連絡がついた。
 
何度も立ち止まったり、時々転倒しそうにもなり、ケガした箇所が「痛い」とは言っておられたが、なんとかスキー場の上部の登山口まで下りることができ、そこまで汗をビッショリかきながら迎えに来た妻と無事合流することができた。
 
このコースは、ほとんど登山者が利用しない登山道で、しかも帰宅後ネットを読むと、蛇谷方面に道迷いした人もいるようで、この男性を見つけたことは幸運だった。
 
高齢者の登山事故が増加しているが、実際に「助けた」という経験はこれまでになく、登山事故というのはこういうふうに起きるんだなと実感するとともに、役に立てて本当に良かったと思った。
 
 
 
 
 
 
 

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