1. タイ洞窟の少年救出事件の「光」
ブログ マチベンの日々

タイ洞窟の少年救出事件の「光」

 
2018年7月、タイ北部の洞窟に13人の少年らが閉じこめられた事件はまだ記憶に新しい。
ダイバーたちによって、全員が無事救出された。
 
そのタイの少年たちのサッカーチームが、2019年4月5日来日し、翌6日、福島県を訪れ、地元のサッカーチームと交流試合をした。
なぜ、福島なのか。
 
2018年11月21日付け京都新聞夕刊1面の「現代のことば」欄に、立命館大学の開沼博准教授が次のような文を書いておられ、それが、とても感動的な内容だったので、切り抜いて保管していた。
 
救助活動の苦労の1つに「光の確保」があった。
複雑な構造をした洞窟のため、ライトで照らしても行き先を把握しきれない。
そんな現場に600個の「光る石」が持ち込まれた。
電気がなくても水の中で発光する畜光磁器。
ダイバーはこれを道しるべとして、すべての少年らの救助に成功したという。
 
そして、実は、この畜光磁器は福島第1原発事故の後、全村避難の対象となった福島県川内村で作られたものだった。
この事件の時、川内村の遠藤村長とこの畜光磁器を製造する企業「コドモエナジー」(本社、大阪)の岩本社長がタイを訪問していたことがこの偶然につながったという。
社会の役に立つものを福島の被災地から発信したいと、原発事故後、川内村に工場が作られ、製造されてきたのだった。
そして、タイの洞窟の中で、その畜光磁器は光輝き、少年らの救出につながった。
 
あの世界的に注目された事件に、このような日本人の素晴らしい貢献があったのだ。
 
実は、岩本社長は、否応なく衰退して弱っている地域を応援する事業が必要だと考え、川内村でも工場だけでなく、カフェやイベントで移住や交流人口を増そうとかしているという。
 
岩本さんの活動が「光」のように輝いている。
 
 
 
 

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