1. コンビニと食品ロス
ブログ マチベンの日々

コンビニと食品ロス

 
私の依頼者の中に、生活保護を受給している80代の高齢男性がいる。
「いつも何を食べているんですか?」と尋ねると、「朝はパン。昼は食べず、夜は、フレスコの弁当が午後9時になると半額になるので、それを買って食べています」という返事が返ってきた。
彼にとって弁当代が半額になるのは、生活費をきりつめる上で大きなことなのだ。
 
2019年5月19日付け朝刊各紙は「コンビニ、食品ロス減へ」などと大きな見出しの記事を掲載した。
セブンイレブンは、弁当など消費期限の近づいた食品の購入者に5%分のポイントを提供する還元策を始めると発表した。
(なんだ、値引きではなく、ポイント還元かよ)
ローソンも同様の還元策を実施するらしい。
それを読んで、依頼者との上記会話を思い出した。
新聞は、「実質的な値引きで売れ残りを抑え、食べられる状態で破棄される『食品ロス』を減らす狙い」(同日付け京都新聞)と報じているが、ポイント5%還元というのは、わずか0.5%の割引にすぎず、これによってどれほどの効果があるか疑問である。
コンビニのオーナーで作る「コンビニ加盟店ユニオン」は、同月20日の記者会見で、「コンビニ会計を念頭に置いている限り、本部は本気で食品ロスの削減に取り組まないことを示したものと言うことができます」と述べている。
 
日本では、一方で大量の食品ロスが発生する一方、他方では日々の食事さえまともに摂れない人もいる。
この2つは、場面も対策も異なるものであることは明らかだが、食べられない人がいるのに、大量の食品が廃棄されることに矛盾を感じるのは当然だと思う。
 
コンビニ各社に対しては、大胆な値引き販売を要望するとともに、自分自身は、一消費者として、食品の使い切りに務めようと思う。
 
 
 
 
 
 

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