1. 「がん外科医の本音」(中山祐次郞 著)を読んで
ブログ マチベンの日々

 
書店をブラブラして、ふと手に取って買ったのが「がん外科医の本音」(SB新書)。
2019年6月初版で、買った時は、まだ出版されたばかりだった。
著者は、1980年生の若い外科医だ。大腸ガンの専門医とのこと。
 
世の中には、医師が書いた本があふれている。
健康関連の本をはじめ、ガンについては、手術や抗がん治療を否定したもの、民間療法的なものを勧めるものまで、多種多様だ。
ただ、これまで「医者の本音」を語る本はなかった。
 
中山さんは、その理由を次のように解説する。
「がんの専門家は通常、中年以降の医師で、病院でも何らかの「役職についています」「この年齢とポジションの医者で、一般の方向けに本を書く人はほぼいません」「医者としての出世には何の役にも立ちません」
しかし、中山さんは、がんの専門家であるとともに、もの書きでもあるため、「現場の人間」として「医学研究の結果+現場の経験」をわかりやすく説明したと言う。
 
この「がん外科医の本音」の中には、私たちが普段疑問に思っていることが、データとともにわかりやすく、しかもきれいごとでなく率直に書かれているところがいい。
例えば、
「医者はがんを切りたがる」は本当か?
「切れば治る」となぜ断言できないのか
がんはなぜ「再発」するのか?
「医者は自分には抗がん剤を使わない」は本当か?
「がんは放置すべきか?」現場の医者の本音は
医者は「民間療法」を腹の底でどう思っているのか?
セカンドオピニオンで医者は気分を害すのか?
「医者100人がやっている」は信じていいのか?
「がんが消えた!?」トンデモ健康本はなぜ出版されるか
ネット情報はどこまで信頼できるか
先進医療は治療に必要なのか?
先進医療の特約を保険につけるべきか
等々
 
どれも日常、私たちが「どうなんかな?」と思うようなテーマについて、わかりやすく説明がなされ、また、過去に私が会ったあの医者が言っていたことはこういう意味だったんだなと思い至るところもあり、少なくとも私自身は得心できるところが多々存在した。
 
なお、この本を読んで初めて、中山さんが2018年8月に出版した「医者の本音」という本が10万部突破のベストセラーになっていることを知り、次は、これも読んでみることにした。
(続く)
 

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