コロナ禍の下、「三密」を回避しようと、低山ハイクをする人が増えているらしい。
確かに、京都近郊の山も結構な人数の登山者でにぎわっている。
しかし、低山ということで気楽に登ると、かえって危険性がある。
なぜなら、低山は、北アルプスや南アルプスなどの2000~3000m級の山々と比べると、道案内(標識)がない所や不鮮明な所が少なくなく、「道迷い」しやすいからだ。
テープが貼ってあっても、木の所有を示す「明認方法」のこともある。
遭難の原因で最も多いのは例年「道迷い」で、全体の4割を占める。
「道迷い」という点からすると、私には、北アルプスより、比良山系を歩く方が怖い。
だから、低山であっても、必ず地図を持参し、現地で、道が分かれていたり、目印のテープが見えなくなったら、その都度、地図を確認した方が良い。
最近は、登山GPSアプリもあるので、便利になっている。
4月25日(日)の朝のNHKテレビのニュースでも低山ハイクの危険性を報じていた。
そのテレビ報道があった日、晴れていたので、私は、銀閣寺登山口から大文字山に登り、山頂から京都一周トレイルを蹴上(けあげ)に向かって歩いていた。
大文字山山頂から蹴上までのちょうど半分位の地点だっただろうか、一人の中高年の男性が蹴上方面から北に向かって歩いてきた。
そして、私とすれ違う時に、「清水寺に下りる道はご存知ですか?」と聞かれた。
「えっ?なんで清水寺?」
蹴上は三条通で、清水寺は五条だから、清水寺は蹴上より南にある。
ということは、彼は、清水寺とは逆の北方向に歩いてきたのだから、この地点で「清水寺に下りる道はどこか」という質問などあり得ない。
「清水寺に行くなら、方向が間違ってますよ」と答えたが、彼は「そうですか」と言いながら、清水寺に行くのはあきらめたのか、大文字山の方へ歩いて行った。
方向感覚が間違っている。
こういう人が道迷いするんだよね、きっと。
私も「道迷い」の経験はある。決して他人事ではない・・・