自分の周囲に、10~20代の若い人がいないので、最近の若者の「生態」は全く知らない私である。
2021年7月26日夕刊1面の「現代のことば」欄に、狂言師茂山千之丞さんが「娯楽の速度」というタイトルで、最近の若者の行動パターンを紹介していた。
それを読むと、私にとっては、目が点になるようなことばかりが書かれてあり、驚きの連続であった。
まず、「若年層のテレビ離れ」。
これは、あちこちで言われていることなのであるが、「20代以下のひとり暮らしの若者で家にテレビがないと言う人は確実に増えてきている」「10代以下の子供達も今はテレビより携帯やタブレットばかり見ている気がする」。
帰宅すると、ほぼテレビ漬けの私には信じられないことだ。
テレビは大画面化し、映像も鮮明で美しくなっているに、なぜ、あの小さな画面の携帯なんだろうか・・・
もっと驚いたのは、「動画の視聴方法の大きな変化」。
「若い世代では映画やドラマを1.5倍速や2倍速で視聴するのが当たり前になって来ている」。
「作品の良さをじっくり味わって楽しむことより、なるべく短い時間で多くの情報を手に入れることが良いとされてきている」。
更に節約したい人は「まとめ動画」で済ませることも。
映画やドラマは、途中のちょっとしたセリフや所作が、後々の伏線になっていたりするのに、倍速で観たらあかんやろ~と突っ込みたくなる。
茂山さんは、「今後とも世界的に娯楽の更なる高速化は止まらないだろう」と書かれていた。
他方、自分はと言えば、年を重ねるにつれ、スローな思考・行動になっているような気がするし、それを心がけている自分もいる。
スピーディーな思考・行動は、しようとすると、どこか「忘れ」や「欠落」「失敗」が生じる可能性が高い。
もはや「最近の若者」とは生態自体が違うのだろうな。