9月も後半になると、高い山では紅葉が美しい季節となり、天候が良いと、大勢の登山客が訪れる。
2014年9月27日の御嶽山の噴火はそんな季節に起こったが、昨日(2021年9月20日)も北アルプス槍ヶ岳の北鎌尾根で地震による落石で登山者が身動きがとれなくなったという報道があった。
噴火も地震も、いつどこで起こるかわからないので、登山中ということも十分あり得るのである。
槍ヶ岳のニュースを見た依頼者の方から「先生が登っていないか心配になった」とのメールをいただいた。
報道された槍ヶ岳の北鎌尾根は、登山地図上には登山道が書かれていない上級者コースなので、私が行けるような場所ではない。
でも、最近、長野と岐阜県境では地震がたびたび起こっており、北鎌尾根以外でも落石が発生する(発生している)可能性は高い。
実は、私も登山中に地震にあったことがある。
2007年7月16日、日本百名山の1つ越後駒ヶ岳(新潟県)を登っていた。
午前10時13分、頂上に足を1歩かけた途端、地面が大きく揺れた。
後で、これが新潟地震であることがわかった。
山頂には1人だけ登山者がいて「今、地震でしたよね」と声をかけた。
その後は、揺れることはなかったが、ラジオなど持参しておらず、当時はスマホを持っている人もいなかったので、地震の規模はわからなかった。
ただ、下山の時、登山道の崩落が心配されたが、幸い、登山道に影響はなかった。
その後、街中に戻り、マグニチュード6.8の大地震であったことを知った。越後駒ヶ岳のある魚沼市もマグニチュード5であった。
新潟空港に向かうため高速道路に入ったが、パトカーが時速60㎞で先導しゆっくりしか走行できず、しかも途中で高速道路から下りて一般道を走行せざるを得なくなり、予約の飛行機に乗れるかどうかヒヤヒヤしたが、なんとか間に合った。
登山中もこのような危険が起こるということを肝に銘じなければいけない。