2022年7月10日は、参議院選挙の投票日。
今回の参議院選挙は、憲法改悪そして戦争への道の「分岐点」になる選挙だと思う。
憲法改正の発議には、衆参それぞれの議院の総議員の2/3以上の賛成が必要である(憲法96条)。
現在、衆議院では既に改憲勢力が2/3を占め、もし今回の参議院選挙で参議院での改憲勢力が2/3以上となれば、確実に憲法改悪へと進んでいくだろう。
与党内では、参議院選挙に勝利すれば、2025年夏の参議院選挙まで大型国政選挙の審判を受けず、好きなことが何でもできる「黄金の3年」となると言われている。
そして改憲勢力の狙いは、もちろん憲法9条だ。
2022年2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻がそれに拍車をかけているが、それ以前から、他国(もとよりそれはアメリカ)が行う戦争へ日本も参加していくことが可能となるよう着々と準備がなされてきた。
2015年9月に安保法制が成立し、日本の自衛隊と米軍との共同訓練の範囲がインド洋まで広がり、また、安倍首相(当時)による武器の爆買いが始まった。
そして、今回の選挙での自民党の公約は、防衛費を、現在、対国内総生産(GDP)の現在約1%(約5兆円)を2%以上にすることを念頭に、5年以内に防衛力を抜本的に強化すると明記した。
しかも約11兆円という世界有数の防衛予算に膨らみかねないことに対し、具体的な財源は示されていない。
「日々の暮らしが大変だから、憲法なんて関係ない」と思う人もいるかもしれないが、この防衛予算の確保のために、増税や福祉予算切り捨てなどが行われることは明らかで、実は、私たちの生活に密接に関わってくる。
また、例えば、アメリカと中国との対立が激化し、戦争となれば、それによって距離的に近い沖縄が真っ先に攻撃され、日本が戦争に巻き込まれることは明らかである。
2度の世界大戦を経て、国民が、戦前戦中を通じて、国から「騙されていた」と感じたことはたくさんあったはず。
現在も、実は「戦前」かもしれない。
メディアがなかなかすべての「真実」を報道しようとしない今、私たち一人ひとりが今日本で何が起こっているのか、きちんとアプローチして知る必要を痛感する。
それが、憲法(12条)が国民に求める「不断の努力」ではないだろうか。