さて、皆さんは、以下の質問に答えることができますか?
「世界中の貿易は何割が海を通っているか?」
「なぜ、ドルは世界中で使われるのか?」
「スマホで外国にメッセージを送る時、そのデータはどこを通っていくか?」
「ソ連は最強のスパイ組織があったのに、なぜ崩壊したのか?」
「経済成長とは何か?」
「核ミサイルはどこにあるのか?」
「なぜ、アフリカは貧しいのか」・・・
京都在住の料理研究家の大原千鶴さんが、2022年9月16日付け京都新聞夕刊の「現代のことば」で「13歳からの地政学」という本について書かれていた。
なんでもベストセラーになっているようで、確かに、書店に行くと平積みされており、興味を持ったので買って読んでみた。
私にとっては、「地政学」という学問は耳慣れない言葉だった。
ネットで調べてみると、「国際政治を考察するにあたって、その地理的条件を重視する学問」とあった。大学では教えていないが、最近、「地政学」の本は流行になっているらしい。
高校1年生の兄「大樹」と中学1年生の妹「杏」が、アンティークショップの店主「カイゾク」から、夏休みの7日間だけ地政学についての話を聞き、最終日にカイゾクの出す問題に答えられたら、アメリカ歴代大統領が使っていたと同じ地球儀をくれる、という小説仕立てのストーリー。
タイトルのとおり子ども向けに書かれてあるので、世界で起こっている様々な出来事や情勢などについて、とてもわかりやすく書かれていた。
国際政治に不勉強な私にも、「なるほど」と思ったことがたくさんあった。
そして、7日間の勉強の終盤には、
差別やいじめ、争いをなくすには、好奇心と勇気をもって自分と違うタイプの人と交流する。それによって、自分のかたよった考え方や、知らないことを減らしていく。自分と見た目や育ちが違う人たちへの興味を持ち、敬意を持つ。
このような姿勢が大切であることを「カイゾク」は語る。
この本はロシアのウクライナ侵攻が始まる前に書かれている。
ウクライナ戦争が始まって以降、自民党は、敵のミサイル拠点などを攻撃する「敵基地攻撃能力」を言い換えた「反撃能力」を自衛隊が保有するよう政府に提言し、岸田内閣もこれに前向きという。
しかし、この本を読んで、戦争をなくすには、粘り強い対話と外交努力が必要であることをあらためて強く感じた。
それと、地球儀は、小学生の時に学校で作ったことがあったが、もう1度欲しいと思った。