土曜日午後10時からNHKで放映されているドラマ「一橋桐子の犯罪日記」。
毎週楽しく観ているが、今週土曜日(11月5日)でもう最終回らしい。
かつて恋愛ドラマのヒロインだった女優松阪慶子が、太った体格と年齢を生かし(?)、コミカルに老女「一橋桐子」を演じている。
同居していた友人が亡くなり、家賃も支払えなくなった桐子は、家賃はタダで三食付きの刑務所に入りたいと考え、様々な「犯罪」に挑んで「ムショ活」するというストーリー。
桐子のような独居老人が置かれている状況は、単にドラマの世界だけではなく、現実だ。
そして、生活が苦しく、刑務所に入りたくて犯罪を犯すというのも現実に存在する。
かつて国選の刑事事件で、万引きをした初老の男性の弁護をしたことがある。
スーパーで数百円の品物を万引きしたということで逮捕勾留され起訴された。彼には前科がいくつかあった。
彼は、仕事をクビになり、刑務所に入りたいと今回万引きをしたと語った。
刑事裁判では、保護観察付き執行猶予という判決だったので、生活保護という制度があることを説明し、保護観察所まで送っていった。その時は、立ち直ると約束してくれた。
しかし数年後、彼がまた万引きで検挙され裁判になったと、その時に国選弁護を担当してくれた弁護士から連絡を受けた。彼は実刑となった。
刑務所内の受刑者の高齢化も深刻とのこと。
これが今の日本社会の現実である。