1. 映画「生きる」を観て来ました。
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映画「生きる」を観て来ました。

2023年3月10日、京都シネマで映画「生きる」の上映が始まりました。

3月3日付けの当ブログで紹介した映画です。

映画「生きる」~大川小学校津波裁判を闘った人たち~ | 京都法律事務所 (kyotolaw.jp)

 

3月10日は弁護団の1人である吉岡和弘弁護士が舞台挨拶に来られることを知り、同期の友人弁護士らと一緒に観に行きました。

 

 

文句なく素晴らしい映画でした。

 

津波や地震そのもののシーンはありません。

 

子どもたちの遺族である親たちは、裁判などしたくはありませんでした。

しかし、石巻市や教育委員会、校長らの答弁、あるいは第三者事故調査委員会の報告内容は、遺族が最も知りたかった「なぜ、子どもらは裏山に逃げなかったのか」「なぜ、子どもらは約50分も校庭で待たされたのか」そして「なぜ、子どもは津波で命を失わなければならなかったのか」という疑問にとうてい答えるものではありませんでした。

唯一の生存者の当時の教務主任も途中から口を閉ざしました。

地震発生後まもなくから始まった保護者説明会の様子が遺族の方によって撮影されており、リアルです。東北弁なので言葉が正確にはわかりにくいのですが、遺族の怒りは十分伝わってきました(「字幕つき」も上映されるそうです)。

 

結果的には最高裁で勝訴が確定しましたが、裁判も想像できないほどの覚悟と苦悩がありました。弁護士2人は、弁護士人生をかけて、遺族の思いを背負う覚悟で裁判に取り組みました。

金銭目的でないにもかかわらず、裁判をするには、子どもの命の値段を金額にして請求しなければならないつらさや葛藤が手に取るようにわかりました。

津波によって「証拠」はほんとど失われ、地元のことを一番よく知っている遺族も「子どもの代理人」となって証拠集めに奔走しました。それが遺族自身の「生きる」思いにつながっていったと言います。

 

映画の中では、裁判の審理や判決内容については、ほとんど触れられていませんが、少しだけ紹介します。

津波発生1年前の「平時」における「組織的過失」を認定した控訴審判決を言い渡した裁判官は「学校が子どもの命の最後の場所であってはならない」と述べたそうです。

また、映画にも登場されている東京大学大学院の米村教授は、「この判決がなかったならば、1万7000人余りの被害を出した東日本大震災は、日本社会に何も教訓を残さなかったことになってしまっただろう。この判決で日本社会が変われる重要な第一歩が築かれたと思います。それを二歩、三歩にするかは、これからの我々にかかっている」と語っておられました。

 

同じ弁護士として、二人の友人弁護士の活動には頭がさがりますし、誇りに思います。

 

是非、1人でも多くの皆さんに、この映画を観ていただきたいと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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