4月からNHKの朝ドラ「らんまん」が始まった。
植物学者牧野富太郎がモデルのドラマである。
ストーリーとしては、まだそれほど面白いと思わないが、実在の人物なので、その人柄や人生はドラマ以上に興味がわく。
とりわけ、牧野富太郎の言葉として、新聞などで紹介されているのが、
「世に雑草という草はない」
私はこの言葉に強く感銘を受けた。
昭和初め頃、作家山本周五郎が記者だった当時、「雑草」と言った山本に対し、牧野は「どんな草だって、ちゃんと名前がついている」「きみが雑兵と呼ばれたら、いい気がするか」とたしなめたという。
この牧野の言葉については、これまで牧野の著作からは未確認だったようである。
しかし、「牧野記念庭園」(東京都練馬区)の学芸員が3年以上探した結果、昨春、牧野の著作を発見したとのこと(2023年4月18日付け毎日新聞朝刊)。
また、牧野は、生涯で1500種類以上の植物の発見や命名に関わったという。
山に登ると、たくさんの野の花や木に出会う。
だが、私は、何度その名前を聞いても、すぐに忘れてしまう。
また、私も、これまでは、庭の草などを「雑草」と呼んでひとくくりにしていた。
これからは、もう少し意識的に草花の名前を覚えるよう心がけようと思う。
それは、すべてについて、1つ1つの個性を大切にすることにつながるような気がする。