「ドラゴンアイ」をご存知だろうか。
それは、岩手県と秋田県の県境の八幡平(はちまんたい)にある。
八幡平は、観光名所ではあるが、冬期は豪雪地帯となる。
その八幡平にある鏡沼が雪に埋まり、沼の雪解けの時期の5月下旬から6月初旬の時期にだけに現れる「ドラゴンの瞳」のような光景がドラゴンアイである。
地元の人は、古くから「蛇の目」と呼んでいたらしいが、4-5年前に台湾人観光客がまるで「ドラゴンアイだ」と言ってSNSで広まり、それ以来、「ドラゴンアイ」としてブームになっている。
八幡平は、日本百名山の1つなので、私もこれまで2回訪れたことがあった。
観光地でもあり、標がなければどこが山頂かわからないような山で、駐車場からわずか約100mほどの標高を登れば山頂に到着する。道もきちんと整備され、登山者だけでなく多くの観光客も訪れている。
過去に八幡平には訪れたことがあるものの、当時は「ドラゴンアイ」という名もなく、時期的にも見たことはなかった。
1~2年前に「ドラゴンアイ」のことを知って是非見たい!と思うようになり、6月11日3度目の八幡平行きとなった。
ネットには、とても素晴らしい形の「ドラゴンアイ」の写真がアップされているが、今年は、ことのほか気温が高く、6月10日頃はもう溶けているのでは?ということが唯一そして最大の気がかりだった。
6月11日は、台風3号の影響で、東日本南部から西日本にかけては雨。この日、東北地方も梅雨入りした。
でも、八幡平は、曇りで、視界もはっきりしている。
ドラゴンアイも6月8日に開眼(=中央部分の雪が溶けて、ドラゴンの目玉ができること)し、幸運にも見頃の時期となった。
ただ、奥に亀裂が入っており、完全に綺麗な形にはなっていないとのことだった。
それでも、神秘的なこと、この上ない。いつまで見ていても、あきない。
これが、ネットにアップされている完全な形のドラゴンアイ。
またいつか、こんな形のドラゴンアイを見る機会が来るだろうか・・・
そんなことを思いながら、その後は、雪解け後にたくさんの花が咲き始めている登山道を歩き、東北の旅を満喫した。