別の人の情報が登録されるというあってはならないミスが発生するなど、マイナンバーカードのトラブルが続出しています。
今後点検作業が進めば、もっと次々とトラブルが明るみに出てくるのではないでしょうか。
マイナンバーカードへの「信頼」は大きく失墜し、返納する人も増えています。
なぜ、このような「ミス」が発生したのでしょうか?
マイナンバーカードの交付は2016年から始まりましたが、取得するか否かは本来、個人の自由なため、カードの取得は広がりませんでした。2019年1月時点の交付率は12%でした。
そのため、政府は、カードの取得を促すため、2020年9月、2万円のマイナポイント付与を「エサ」としたところ、一挙に国民の77%が申請しました。
推進を急いだため、申請が急増し、今度は、自治体窓口が対応できず、デジタル化を急ぐあまり、本人確認が不十分になっていました。
河野太郎デジタル相は、2023年6月25日に行った講演で、「マイナンバー精度は民主党政権が作った制度」で「おまえが始めたんだろ、と言い返したくなる」と言い訳したそうです。
しかし、「民主党政権が作った制度」で文句があるならば、廃止すればいいだけで、多額な税金を投入して推進し、トラブルを発生させたのは、間違いなく今の自民党政権にほかなりません。
このようにトラブル多発のマイナンバーカードですが、岸田政権は、2024年秋には現在の保険証を廃止し、保険証とカードを一元化するという方針を撤回しようとしません。
そこには、財界の強い要求があるからです。
経団連や経済同友会などの財界は、1990年第半ばからマイナンバー制度の原型となる「納税者番号制度・社会保障番号制度」を求めてきました。
また、財界は、健康保険証とマイナンバーカードの一体化を義務化すべきであるなどと提言していました。
マイナンバーカード制度を徹底活用し、国民に社会保障の給付削減と負担増を押しつけようとするものです。
更に、大量の個人情報が「ビッグデータ」として大企業のビジネス利用ももくろまれています。
個人情報保護など基本的人権をないがしろにする現在のマイナンバー制度を廃止しようという声をあげていきましょう。