「ヘタでいい ヘタがいい 生きて行くことと同じだよ」
2023年8月31日、82歳で亡くなった絵手紙の創始者小池邦夫さんの有名な言葉である。
この言葉を「信じて」絵手紙にはまった人は、たくさんいるだろう。何を隠そう、私もその一人だった。
若い頃に一時期はまって、絵手紙教室にも通い、筆や顔彩など絵手紙セットも購入した。でも、その後、他の趣味に気持ちが移り、今は全く描いていない。
「ヘタでいい ヘタがいい」と言っても、絵手紙を描くことが簡単なわけではない。
小池さんは言う「動かなければ出会えない」「昨日の自分をなぞっていては相手に熱は伝わらない」。
自分の感性・感受性が豊かでないと、思いを文字で表現することも、心打つ絵を描くこともなかなかできない。
もう何年も前に、山梨県忍野村(おしのむら)にある「小池邦夫絵手紙美術館」を訪れた。
ここには、小池さんの初期から近代まで約300点もの作品が展示されているほか、全国から寄せられた一般の人々の絵手紙も展示されており、たくさんのあたたかい絵と言葉に触れることができ、とても、ほっこりできる美術館である。
館内から真正面に富士山を望むことができるのも素晴らしい。小池さんの言葉「どんなに小さくても富士山が見えたら元気になる。小さくならずにいられる。」
もう1度、訪れてみたい。