事務長から、京都法律事務所の新年号の原稿の校正を頼まれ、所員の原稿を読んでいると、小笠原弁護士の原稿「おすすめの一冊」で紹介されていた小説「看守の流儀」(城山真一著)が目に止まった。
小笠原弁護士の大学の同窓生である山本弁護士から「凄っ!」と言って薦められたとのことで、小笠原弁護士も「確かに凄っ!」と書いていた。
全く読んだことがない著者であったが、二人の弁護士が「凄っ!」と感じた本にとても興味が沸き、早速、小笠原弁護士に「看守の流儀」を借りて読んだ。
石川県金沢市の金沢刑務所を舞台に、刑務官と受刑者との間で繰り広げられる5つの物語(短編)「ヨンピン」「Gとれ」「レッドゾーン」「ガラ受け」「お礼参り」から成る。
読み終わって、本当に「凄っ!」と思った。
ミステリー小説なのに、人間ドラマが展開され、泣ける。
5つの物語は、どれも受刑者の1人「歌手」の三上順太郞の刑務所手記「プリズン・ダイアリー」の抜粋から始まり、続いて、1癖も2癖もある受刑者と対峙する刑務官の苦悩や「事件」が描かれる。
過去に何かを負っている得体の知れない警備指導官火石司(ひいしつかさ)の存在も気にかかる。
そして、第5話の「お礼参り」で、驚きの結末が用意されていたのだった。
私も是非オススメする1冊です。年末年始にいかがですか。