1人の女性看護師の視点を通じて医療現場の実情を描き出す、スイスとドイツの合作映画「ナースコール」がロングランを続けている(京都新聞2026年5月24日付け朝刊)。
5月30日(土曜)に観に行ってきた。
上映館は出町商店街の中にある出町座。出町商店街には家裁に行った帰りに買い物をしに時々寄ったりするが、出町座を訪れるのは初めて。
2階と3階に上映会場があるようだが、上映された2階は50席ほどで小さな映画館だ。
でも、京都新聞で大きく紹介されたせいか満員だった。
この映画を観ようと思ったのには、いくつか理由がある。
1つ目は、かつて(2002年~)私は、ある医療ミス事件を担当したことがあった。
それは、1人の看護師が滅菌精製水タンクと消毒用エタノールとを取り間違えて人工呼吸器モジュール内に注入したため、患者が死亡したという事故だった。注入後、医師や注入した看護師のみならず、交代で勤務した複数の看護師もその間違いに気がつかなかった。
遺族から医師や看護師らに対し損害賠償請求訴訟が提起され、私は、交代した看護師の1人を担当し、看護師の視点で看護師不足や過酷な業務実態を主張して争ったことがあるからだった。
2つ目は、私の離婚事件の元依頼者の娘さんが、今年4月から大学の看護学部に入学し、先日、一緒にお祝いをしたばかりで、彼女にもこの映画の新聞記事を紹介したこともあった。
3つ目は、なんとなく付け足しだが、時代は異なるが、現在放映中の朝ドラ「風薫る」の主人公が看護師で、毎朝観ているからかな。
映画は、新聞やネットで評判どおり、医療現場の過酷な実態を描いた秀作だった。
スイスの病院で働く主人公フロリアの「遅番」の8時間の姿を追う。
フロリアはベテラン看護師だが、この日は同僚1人が病欠し、2人で26人もの入院患者を担当するという設定。しかも、看護学生(インターン)の指導という追加任務も加わる。
鳴り止まないナースコールやPHS。患者の苦痛の訴えや不満、患者の家族との対応、規則を守らない患者などなど。
フロリアは献身的で優しい看護師なのに、死には至らなかったが薬剤取り違えミスを犯してしまい、また、多忙なあまり後回しとなった患者を死なせてしまう。
京都新聞記事に「カメラは主人公に密着し、観客が次から次へと押し寄せる看護師の仕事を疑似体験する映像になっている」と書かれてあったとおり、本当に息詰まるような臨場感があって、観ていて息苦しくなった。
日本の現状もさほど違いはないのだろうな・・・
京都新聞には、日本医療労働組合連合会の2025年調査では、36都道府県の145医療機関のうち約6割で「退職者が採用者を上回」り、看護職員の減少が続いていることが紹介されていた。
「ナースコール」のような映画がヒットするということは、世界でも同じような現状にあるのかもしれない。
医療従事者の働き方や労働条件を改善することこそが、私たち国民の命を守ることにつながるはずである。












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