遺言で親の全財産を相続する予定だった長男が、親より先に死亡した場合、その長男の子は代襲相続しないという判断が、2011年2月22日最高裁判所で初めてありました。
事案は、長男と長女を持つ母親である女性が、1993年に長男に全財産を相続させるという遺言を書きましたが、長男は2006年に母親より先に死亡。その後、母親も死亡し、長女が法定相続分の権利を主張。長男の子どもが長男の代わりに全遺産を相続するのか(代襲相続)、長女にも法定相続分の権利があるのか、判断がわかれていました。
最高裁判決は、「遺言する人が特定の相続人に財産を相続させるといった場合、通常はその相続人に遺産を取得させる意思があるということにとどまる」と指摘し、遺言中で代襲相続を指示している特段の事情がない限り、遺言に効力は生じないと判断しました。
もし長男が先に死亡した場合その子(遺言者にとっては孫)に相続させたい時には、最高裁判決も指摘しているとおり、遺言にその旨をはっきり書いておくことが必要ですね。
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