仕事によってケガをしたり病気になったりした場合、民間の労働者は労働災害(労災)となりますが、公務員は公務災害となります。
その公務災害の補償(年金)について、遺族が男性か女性かによって受給資格に差がある地方公務員災害補償法の規定が法の下の平等を定めた憲法に違反するとして、10月19日大阪の男性遺族が提訴しました(2011年10月20日付け京都新聞朝刊)。
この件については、私の2010年7月21日付け「ブログ マチベンの日々」で紹介したことがありました。当時は「近く訴訟を提起する」と報道されており、その後、どうなったのかしら?と思っていたところでした。
私は、これまで公務災害の死亡事案については妻が遺族の場合だけしか担当したことがなく、法律が差別的規定になっていることを知りませんでした。
公務災害で夫が死亡した場合、妻には年齢を問わず受給資格があり、遺族補償年金は平均給与額の153~245日分が毎年支給される一方、夫が遺族の場合は、受給資格が60歳以上に限定され、年金受給資格のない夫の場合は平均給与額の千日分にあたる一時金しか支給されません。
遺族が男性か女性かによって受給資格に差があるのは明らかな男女差別です。国は、無駄に争わず、早期に法改正を行うべきです。
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