東日本大震災で漏水した東京都杉並区のマンションについて、損害保険契約には「地震による損害は補償しない」という免責条項がありましたが、東京地裁は「震度5強程度の揺れは免責対象に当たらない」として、保険会社(東京海上日動火災保険)に対し保険金の支払いを命じました(日本経済新聞WEB)。
地震保険以外の損害保険の商品は、約款で、一般的には地震による被害は補償の対象外とされています。
この判決は、地震多発国の日本では「一定の耐震性は通常備えているべきだと認識されている」と指摘し、その上で、免責対象となるのは「通常の想定を超えて保険金支払いが困難となるような巨大かつ異常な地震だ」として、マンション付近で記録した最大震度5強の揺れは「対象の巨大地震にはならない」と判断しました。
約款などの書面があると、通常なら「請求は無理」とあきらめてしまいがちですが、争ってみるものですね。でも、影響が大きいので、保険会社もきっと控訴することでしょう。今後の審理が注目されます。
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