(女性弁護士の法律コラム NO.107)
私たちが、家裁で、別居中の夫婦の生活費である婚姻費用や離婚後の子どもの養育費を決める時、参考にするのが「養育費・婚姻費用の簡易算定方式・簡易算定表」で、2003年3月に判例タイムズという雑誌の1111号に発表されたものである。
家裁では、調停委員や裁判官、弁護士もこの表を使って調停などを進め、また、離婚に関する本などでも紹介されているので、法律相談に来られる方の中にもよく知っている人も見られる。
その意味で、実務にはかなり定着していると言えよう。
しかし、発表から約9年も経った現在、この表には構造的に問題があり、そのため算定される金額が低額で、母子家庭の貧困の一因ともなっている。
そこで、日本弁護士連合会は、3月15日これに対する意見書を取りまとめ、3月22日付けで最高裁判所および厚生労働大臣宛に提出した。
意見書の内容については、ここで紹介するスペースがないので、日弁連のホームページで読んでほしい。
私たち弁護士も、安易にこの表に依拠するのではなく、子どもたちのための生活実態に合った金額を決定していく努力が求められる。
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