1. 勾留中の被告人が弁護人からの手紙等を押収されたことに対し、国家賠償提訴
女性弁護士の法律コラム

 
(女性弁護士の法律コラム NO.118)
 
検察庁や裁判所がここまでやるか・・・と思う、ひどい話である。
 
大阪地方検察庁が、刑事裁判中で勾留中の被告人の居室(大阪拘置所内)から弁護人への手紙などを押収したのは、接見交通権の侵害にあたるとして、この被告人と元弁護人が7月10日、国に慰謝料など計3300万円の支払いを求める国家賠償請求訴訟を提起した(2012年7月11日付け読売新聞)。
 
身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人と立会人なくして接見(注、面会のこと)し、又は書類もしくは物の授受をすることができる(刑事訴訟法39条1項)。
これは、「接見交通権」と呼ばれ、被告人の防御権や弁護人の弁護権を定めたとても重要な権利で、今回の捜索差押は、被告人の防御権を直接に侵害するものにほかならない。
 
しかし、捜索差押は、検察官や警察官が自由にできるわけではない。
裁判所がそれを許可する捜索差押令状が必要である。
今回、なんで裁判所が安易にそれを認めたのか、理解できない。
刑事訴訟法の不勉強な裁判官だったのか。
 
こんなことは絶対あってはならない。
 
 

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